2012年9月

米国はなぜ国民皆保険にしてこなかったのか?

今回もアメリカの話。医療保険改革法についてです。
このニュースを知ると、今のアメリカが見えてきます。また日本のことも。

■医療保険改革法(オバマケア)、裁判の結果は?

6月下旬、ちょうど私がアメリカ・シアトルに滞在していたとき、オバマ政権が成立させた医療保険改革法が「合憲」という判決が出たことが大きなニュースになっていました。

医療保険制度改革はオバマ大統領が2008年の大統領選の公約に掲げた重要政策でした。そして、2010年3月、『原則、アメリカ国民に健康保険の加入を義務付ける』という「医療保険改革法」がスッタモンダの果てにようやく成立しました。この「医療保険改革法」は通称「オバマケア」とも呼ばれています。

しかし、「これは個人の自由を侵害する憲法違反だ」として州の知事たちが政府を提訴しました。その判決が今回、「合憲」となったことで「オバマケア」が法律として揺ぎないものとなったのです。これで2014年からアメリカの医療保険のあり方が大きく変わることになることが確定的になりました。

■オバマケアをめぐる背景

日本は、国民全員が健康保険に入らなければならないという「国民皆保険制度」です。裕福な人でも貧しい人でも誰でも少しの負担でちゃんとした医療を受けることができます。
でもアメリカには高齢者向けなど一部の例外を除き、公的な医療制度がありませんでした。アメリカは先進主要国の中で唯一、国民皆保険ではない国でした。医療保険は個人個人が任意で民間の保険会社と契約しなければいけません。民間の医療保険の保険料も支払うことができない人は無保険になります。現在アメリカではおよそ5,000万人ちかくの人たちが無保険者だそうです。アメリカの人口がおよそ3億人ですから約16%、6人に1人が無保険です。こういう人が病気になるとアメリカの医療費は高額なのですぐ破産へまっしぐらです。
「盲腸で破産した」などという冗談のような笑えない話もあったくらいです。 (さらに…)

2012年9月18日 火曜日 15:50 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

なぜアメリカの住宅価格は下がらないのか?(後編)

前回は、アメリカ・ワシントン州シアトルの不動産流通視察の報告をかねて日米の不動産取引環境の違いについて書きました。今回はその続きです。
 

アメリカの中古住宅の価格を支えている大きな要因のひとつは取引件数の多さです。
日本とアメリカの一年間の住宅の取引戸数を比較すると、日本が新築・中古あわせて、約130万戸なのに対して、アメリカは約875万戸。その差、およそ6.5倍。中古に限って言えばなんと38倍です。
中古住宅の取引されている量が圧倒的に違います。
日本人が家を買うのは人生で1~2回なのに対して、アメリカ人は平均6~7回住宅を買い替えると言われています。
ほとんどクルマを買うくらいの頻度で、家を買い替えている感覚ですね。

その圧倒的な中古住宅流通量を支えているアメリカの不動産流通の「仕組み」とはどんなものなのでしょうか?
(さらに…)

2012年9月4日 火曜日 16:32 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

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