HyAS住宅不動産業経営戦略コラム

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住宅・不動産業界の営業戦略

経営に欠かせない顧客志向マーケティングの必要性

現代のマーケティングにおいて、自社の顧客と向き合いそのニーズに応えようとすることは決して欠くことのできない重要なプロセスとなっています。このような顧客志向マーケティングはなぜ必要とされているのか、その意義と方法について解説します。

顧客志向マーケティングの必要性

顧客志向マーケティングとは、顧客のニーズやメリットを第一に考えて行うマーケティング手法のことです。

モノが行き渡らない時代あるいは行き渡る過程の時代には、企業が開発や製造のしやすさを優先して商品を作り、自社の商品サービスがより良く、より便利に、より大きく、などというように、それ以前よりも優れていることを強調することでいかにして顧客に売るかというマーケティングが主流だった時代がありました。もちろん、その当時も市場のニーズがまったく無視されていたわけではありません。
しかし問題は、時代は移り変り十分にモノが行き渡った豊かな時代になるにつれ、顧客のニーズが多様化してきたことにあります。そんな状況下で売れるモノとは、顧客のニーズによりきめ細かく応えるモノ、複数のニーズを同時に満たすモノ、今まであまり気づかれなかった新しい、あるいはニッチなニーズを捉えたモノ、あるいはそもそも製品サービス開発の考え方などへの共感を呼ぶモノなどです。それを実現するのが顧客志向マーケティングと言えます。

何に対して顧客志向を持つべきか

顧客志向は商品開発にのみ利用できる手法ではありません。営業、流通、広告宣伝、販売促進、価格設定など、さまざまなプロセスに顧客志向の考え方を採り入れることができます。たとえば営業で顧客の話によく耳を傾け、顧客が欲する情報を提供しサポートを行うことで、新たなニーズに気づき、それを商品開発にフィードバックすることもできます。むしろ顧客志向マーケティングは一貫して行うことこそに、その効果を増幅させることが可能です。

顧客志向マーケティングで大切なこと

顧客志向マーケティングでは、どのようにして顧客のニーズを見つけ出して分析し、理解するかが問題となります。

通常のマーケティング戦略では、市場調査(マーケティングリサーチ)に始まり、市場細分化(セグメンテーション)、ターゲティング、ポジショニング、マーケティングミックス、実行、分析というステップをたどります。この中ではセグメンテーションがとくに重要で、市場がどのようなグループに分けられるかを調査・分析し、さらにそのグループがどんなニーズを持っているのかを調査・分析して顧客ニーズを導き出していきます。
また、ニーズ調査にはアンケートや購買履歴データなどを用いる定量的アプローチ、行動観察調査やグループインタビューなどを用いる定性的アプローチがあります。顧客ニーズを探るなら、こうしたマーケティング手法を活用するのが常道でしょう。

ただ、顧客のニーズを捉えるには、感覚的なもの、感性的なものも大切だということを理解しておくべきです。定性的アプローチにも近い考え方ですが、データからわかることだけでなく、実際に顧客と接してみて感じる企業側の考えとのギャップ、あるいは一致点、さらに一時的にだけでなく長く顧客と接点を持つことで現れてくる認識の変化などを敏感に捉えることが求められます。最近では、顧客と企業がともにニーズを探りながらマーケティングを行っていく「共創」という考え方も注目されています。

顧客志向マーケティングの注意点

一方、顧客志向マーケティングには注意すべき点もあります。まず気をつけたいのは、よくある顧客満足度調査などの結果を鵜呑みにしないことです。アンケート調査も同じですが、顧客は自身が調査されていると意識すると、しばしば建前を書いてしまうものです。常に本音はどこにあるのかを探る姿勢を忘れないようにしましょう。

また、顧客志向マーケティングの弱点は、企業が過度に顧客を優先するようになると、あらゆるニーズに応えようとして自社の特徴や個性が曖昧になっていくことにあるとよく言われます。これを防ぐには自社のビジョンやポリシー、商品開発コンセプトをしっかりと確立した上でニーズを探ること、そして顧客ニーズを叶えることを目的化するのではなく、あくまで手段として活用することを認識しておかなければなりません。

住宅・不動産業は、実はそれほどマーケティングを必要としない業界の一つと言われてきました。しかし、人口や世帯数の減少による将来の需要縮小や空き家問題などによって、これからの時代にはマーケティングが重要になってきます。顧客志向マーケティングは特別なことではなく、企業経営、事業展開をしていく上で大前提となる考え方の一つです。どのようにして顧客のニーズに応えていくか、自社ならではの方法を確立していきましょう。

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