HyAS住宅不動産業経営戦略コラム

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住宅・不動産会社の経営と相続

リフォーム市場に参入する際に明確にすべきターゲット層

人口構造をはじめとする社会構造の変化に伴い、住宅・不動産業界も大きく変わると言われています。特に、フローからストックという言葉に象徴されるリフォーム市場には成長が期待されています。リフォーム市場に参入する時に重要なことは、自社の商品サービスの提供価値とターゲットを明確にすることです。リフォーム市場とその市場に存在するターゲット層について解説します。

リフォーム市場が注目される背景

少し古い話ですが2010年に閣議決定された新成長戦略の中で、国は既存住宅市場の活性化に向けた取り組みの推進を始めとして、2020年までに中古住宅・リフォーム市場を倍増させるという目標を掲げました。

その背景にあるのは少子化と高齢化の進行です。2013年に行われた住宅・土地統計によれば日本の総住宅数6,063万戸に対し、総世帯数は5,245万世帯と住宅ストック数が世帯数を大幅に上回っています。住宅を必要とする「世帯数」という単位で見るとすでに過剰なストックが存在しているということです。また、その世帯数も2008年~2013年の5年間での増加率が5%と、昭和30~40年代の増加率15~16%と比べると世帯数伸び率は大幅に低下しています。何にしても、新たに住宅を造って増やし続けるような市場構造は期待できないことを示しています。

これらの変化も一因となって、空き家の増加やそれにまつわる諸問題の顕在化、新築着工件数の減少も顕著になっています。代わって重視されはじめたのが、「いまある住宅をしっかりと手入れし、高性能化して長く使う社会へと移行すること」、つまりリフォーム市場の活性化という方針です。

市場参入の際に重要なのはターゲット層を明確にすること

社会の変化を背景としてリフォーム需要の伸びはこの先顕著になっていくでしょう。ただし、需要が顕在化する流れに従い、簡単に伸びてゆく市場ではなさそうです。リフォーム市場はちょっとした修繕から大規模な増改築まで幅が広く、取り組む業種によってはすでに競合が激しい市場となっています。つまり、リフォーム市場に参入する際には、自社がリフォーム事業を通じてターゲット顧客に提供する価値と、その顧客ターゲットはどんな層であるかを明確にしておくことが必要になるのです。

これからのリフォーム業界における多様なターゲット層と差別化

一般的に考えられるリフォーム市場のターゲットは、いま住んでいる住宅が老朽化しているのに伴って修繕をしたいという高齢者と想定されがちです。しかし、それ以外の若い層にもリフォーム需要は広がっており、どの層をターゲットとするかを決め、さらに決めたターゲットに対してどんなメリットを提示してアプローチするかをしっかりと準備する必要があります。高齢者層の修繕レベルのリフォーム市場はボリュームゾーンの一つですが、将来の生活不安から大きな工事を依頼する顧客になるとは限りません。

これに続くボリュームゾーンの想定は、既存住宅の生活の質を上げたいという動機、つまり住み心地の良さや快適性を追求することに加え、断熱性能の向上による省エネ化、耐震化などにも関心のある層になります。年齢は高齢者層と言われるよりもやや下の世代が想定されます。主に40−50代にあたるこの世代の場合には、相続した住宅、またはこの先相続を受けるであろう住宅をリフォームして自分達にとって快適な住まいにしたいと考えている方も一定数いると思われます。

さらに、最近は、新築住宅ではなく既存(中古)住宅を購入してリフォームをして住むという需要も顕在化しはじめています。既存(中古)住宅は同じような立地にある新築住宅に比べ比較的安く購入できるためまずは取得し、その後、大規模リフォームを行って自分たちの志向や趣味にあった住まいを手に入れるという考え方です。こうした選択をする需要層は大半が30代~40代の若い層です。情報収集能力が高く、ネットなどを駆使して積極的に物件情報やデザインの事例などリフォームに関する知識を得ている方が多いと言われています。

さらに、2020年に新築住宅の建築にあたって「新・省エネ基準」への適合が義務化されることを受け、既存(中古)住宅でも性能を向上させようとするリフォームも徐々に注目され始めています。

リフォーム市場におけるターゲット層を絞る際は、年齢、既存住宅か購入中古住宅かという対象物件の違い、エリアや立地、性能向上など様々な目的と切り口でセグメントできます。セグメントに分けた後、その分類のどの顧客層を対象にターゲット設定するかが重要です。的確なアプローチを行うために、どのようなニーズを持つ、どんなターゲット層が存在するのか、そのうちのどの層を顧客として捉えるのかを明確にしておきましょう。

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