HyAS住宅不動産業経営戦略コラム

HyAS住宅不動産業経営戦略コラムでは、住宅業界、不動産業界、土木業界の業務効率化か成約率アップなどのお役立ち情報を発信しています。日々の業務のことから事業のことまで売上アップのために日ごろから策を練り、企業の成長に役立てましょう。

住宅・不動産業界の経営戦略

成約数を増やすために重要な成約率の考え方

住宅不動産業界で成約率(契約率)を上げるにはどうすれば良いのか……この基本的課題について考えてみましょう。ポイントは見込み客の心理状況に合わせた提案をすることにあります。

成約率を上げるために欠かせないこと

売上を伸ばすためには成約数(契約数)を増やす必要があります。もちろんそれは住宅不動産業界でも同じです。成約数(契約数)を増やすためには、「集客数を増やすこと」と「成約率(契約率)を上げること」が必要です。この先人口や世帯数の減少が進んでゆく中で今まで以上の集客を見込めない状況において、成約率(契約率)を上げることが非常に重要であるということをまず認識しなければなりません。

それでは、成約率(契約率)はどうすれば上がるのでしょうか。営業担当者なら誰でも知りたいあまりにストレートな問いですが、改めてこのことを考えてみましょう。

まず、当たり前のことですが、成約率を上げるために最低限欠かせないのは、商品(製品やサービス)の特性を把握することです。商品のコンセプト、ターゲット、強み、弱みなどがその特性です。自社の商品の特徴について正確に話せない営業マンからは買おうと思いませんよね。

次に、目の前の見込み客についてもその特徴を知る必要があります。性別や職業、住んでいるところなどの属性がわかれば越したことはありませんが、今まさに話をしているところなら、その人が何を欲しているか、どんな要望を持っているか、その背景にはどんなことに不安を感じているか、どんな悩みを持っているかという心理状況を知ることのほうが大切です。そのためには「ヒアリング」のスキルが重要です。

成約率を上げるために必要なことは、商品の特性を正しく理解し顧客の背景や心理状況を踏まえた上でマッチングを行うことです。顧客の欲しいものとその背景に沿った提案でなければマッチングは成立しません。需要と供給が合致しないからです。
成約率を上げるには、まず見込み客の背景や心理状況を知り、自社の商品特性がどのようにそれに応えられるかをきちんと整理することが大切です。

成約率を上げるために考えるべき「見込み客の悩み」

ところで、いきなり一方的に相手に自社の商品の特徴や優れた点を説明して、自社の商品を買ってもらえるでしょうか?あるいは、相手に年収などの大切な情報をいきなりヒアリングして正確な情報を教えてもらえるでしょうか?

ここからは住宅不動産業界を想定した少し具体的な話に絞って、相手に「買いたい」と思ってもらうために行なうべきことについて説明していきます。

モデルハウスの見学に訪れる見込み客は、マイホームに対する興味、購買意欲はたとえわずかでもどこかに持っています。しかし、実際に購入に至るにはいくつものハードルがあり、それが悩みどころとなっています。住宅の性能の良し悪しはそもそも何を基準として選べばいいのかといった知識不足、ローンを返していけるのかという見えない将来への不安などは悩みの中でも代表的なものです。これを逆手に取れば、このような顧客の心理状況を受け止め、その「悩み」を一緒に解決することこそ、住宅などの高額商品の契約に結びつきやすいのはないでしょうか。逆に、いくつもの悩みを抱えている状態で、自社の商品の話ばかりしたり、尋問のようなヒアリングをしても、相手は逃げてしまうだけです。

また、見込み客によっては、悩みを解決する実証的な数字などのデータが効果的なこともありますし、ほかの見込み客にとっては、ブランドイメージや担当者の人柄が決定打になることもあります。いずれにしろ重要なのは、見込み客の多様な悩みや不安とその背景を正しく理解し受け止め、それらを払拭するための適切なアプローチを検討し実施できるかどうかです。見込み客の心理状態から理解をし、その解決・解消ができるというレベルにまで達すれば、顧客の購買意欲は高まっていることでしょうし、同時に、悩みを払拭してくれたことで営業マンに対する信頼度も高まっていることでしょう。

特に、住宅や不動産のような高額商品の買い物に関しては、段階を経て少しずつ購買意欲が高まるのが一般的です。従って、購買意欲を「醸成」していくためにも、まずは情報開示や中立的な立場から情報提供をして信頼を獲得することし、相手に話を受け止めてもらえる状態を作りつつ、自社(自分)に価値を感じてもらうことが必要です。

ここまで述べてきたのは成約数(契約数)を増やすための行動の“質”によるテクニックです。成約数(契約数)を増やすために、“量(行動量)”を確保することも当然必要です。

集客についてはまた別の機会にお伝えしたいと思いますが、簡単に集客の基礎について触れておきます。

まず、集客数はどうすれば増やせるかという課題は、営業担当者個人の課題ではなく、会社全体、組織課題です。有効な集客方法としては、不動産会社や工務店、建設会社との相互連携、商品カタログやチラシ・DMの制作と配布、見学会・セミナーの開催、インターネット広告、住宅情報誌・住宅情報サイト・新聞の折り込み広告の活用・ポスティング……などがあり、これらを組み合わせて幅広いマーケティング活動を行う必要があります。

また、集客方法と集客数、成約率(契約率)はその相関関係を把握して、データとして蓄積することも重要です。どのような広告宣伝をすれば集客に結びついたのを分析すれば、集客のためのノウハウとフローを構築できます。その先は成約率(契約率)を上げるための質の高いテクニックも駆使し、量と質の両面から成約数(契約数)をアップさせていくことになるでしょう。

住宅不動産業界において成約数(契約数)を増やすためには必要な集客を確保し、見込み客の心理状況を正しく把握した上で営業活動を進めることが重要です。

■今回触れた成約率(契約率)を高める考え方をより詳しく知りたい方はこちら

http://view.hyas.co.jp/service/relife-club.html

ページトップに戻る