着工戸数減少による構造的な市場規模縮小が続く住宅業界において、今後ますます淘汰の波が激しくなることが予想されます。
重要なのはこの減少幅になります。
市場が10%減少であれば「駄目な会社が排除される」という程度ですが、これだけ市場が縮小すると「本当に力のある会社しか生き残れない」ということになります。
営業力や商品力に弱点がある工務店にとっては、一気に経営状況が厳しくなることが予想されますので、より高みを目指して、力を付けなければなりません。
根本的な問題として、住宅の基本性能をある程度維持しているかどうかは、顧客の満足度や将来の自社の評判を考えると、非常に重要です。
特に今後のエネルギーコストの上昇を考えると、省エネ性能の低い家は将来の家計を圧迫する可能性があります。国が現在の最低限の基準として示しているのが「長期優良住宅」の基準ですが、2020年にはさらに二段階高い基準が義務付けられ、このままでは多くの工務店が新築事業から追い出されることになります。
「手間がかかる」「ユーザーが求めていない」などの言い訳をすることなく、プロの仕事をしなければなりません。
「うちは何でもできますよ」という工務店モデルは今後通用しません。エンドユーザーから見ると、「何でもできる」=「何の特徴もない」ということになります。
エンドユーザーが引き寄せられる良い商品をもち、地域で自社の特徴を打ち出せない工務店は、集客も見込めず、残り僅かな地縁・血縁を食いつぶすしかありません。
特に、今後の住宅購入の主力となる若年層向けの商品の有無は、経営改善には不可欠です。
例えば、年収を聞き、借入総額があたかも住宅の総予算であるかのような営業が未だに横行しています。本来、子どもの教育費や生活水準が家庭ごとにマチマチであるにも関わらず、です。
場合によっては、資金計画をせずいい加減なまま、建物や土地の話をされているケースもあるようです。
また、地盤改良が発生した場合に、発ガン性物質チェックをすることなく、セメント系の地盤改良を行ったりしている工務店も見受けられます。
メンテナンスのための図面管理も不十分な会社が多いようです。
正しい情報をエンドユーザーに伝え、その利益を守ることが工務店の長期的な存続に繋がるのではないでしょうか?
建材店の付帯サービスを自社の段取りでカバーすることが出来れば、部材はWebで購入しても問題は起こりません。結果、その努力がエンドユーザーの利益につながります。
また、大工さんの手間賃を坪単価発注している限り、コストダウンには限界が出てきます。工務店が自社の努力で、経営改善、経営革新をしていくことは、最終的には、エンドユーザーの利益につながり、それが工務店の存続につながるのではないでしょうか?