ハイアス・アンド・カンパニーがお届けする、住宅・土木・不動産業界の経営革新情報サイト
(ページ:1/1)
2009年9月に、鳩山前首相が国連気候変動首脳会合の場で「温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減することを目指す」と表明しました。この方針を受けて、2010年3月31日に、環境省から「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップの提案」が発表され、日本の産業の2020年、2050年に向けてのあるべき姿が示されています。
この中で、住宅・建設業界に着目すると、「新築の改定省エネ基準達成率100%」が中期的な目標に定められています。このことから、今後の住宅政策は省エネルギーというキーワードを抜きにしては語れなくなるのは確実でしょう。私たち住宅・建設に携わる者としては、早い段階で住宅政策の方向性を見極め、来るべき時に備えて商品力を高めておくことが重要になってきます。
住宅・建設に関連する主要な対策として挙げられているものを表1に転載します。大きく分類すると、
に分けられます。
注目すべきは(1)において、住宅(建築物)の環境性能向上として、全ての新築住宅が次世代(H11)基準または改次世代(改H11)基準(現行の基準または更に厳しい基準)表2を達成することと明確に謳われていることです。つまり、近い将来に新築の省エネルギー基準のクリアが義務化され、10年後の2020年には、基準を満たしていない住宅は一切建てられなくなります。
実績から見てみますと、2005年のデータでは、新築建築物の次世代省エネ基準達成率は56%です。この基準が維持されるのであれば、現状の延長線上で達成は可能かもしれません。しかし、掲げている目標を考慮すると、おそらく新しい省エネルギー基準が制定される(H21改正省エネルギー基準と同等の水準と仮定するとⅣ地区でQ値1.9以下)という考え方が有力です。この場合、ほとんどの住宅会社では現状の商品ラインナップでは対応できず、会社によっては死活問題になりかねません。
昨年より展開を開始したR+houseシステムは、デザイン・性能・コストをバランスよく追求した注文住宅として、多くのお客様の支持を頂いています。
実例として、岐阜県(Ⅳ地区)に建築された販売価格1500万円の物件では、先に仮定した改次世代基準(Q値1.9以下)をクリアしています。
今後、狭小地対応のR+S、Q値1.0を切るR+zeroなど、新商品が順次リリースされる予定であり、R+houseシステムは、日本の省エネルギー政策に対応しうるプラットフォームになり得ると考えています。
近い将来、性能を満たさない住宅は建築できなくなり、既存住宅についても価値が評価されない時代が必ず到来します。しかし、その時に対応すればよいというわけではなく、今から建築する住宅は全て性能を重視するという考え方が、住宅会社ひいてはお客様に対しての正しい姿勢なのではないでしょうか。