器(住宅)の省エネ性能を向上させる基礎断熱

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次世代省エネ基準(1999 年基準)の見直しへ、
次々世代の基準に向けた家づくりを考える

“ZEH”実現に向けた次世代省エネ基準の見直し

去る2012年5月、国土交通省より「低炭素社会に向けた住まいと住まい方」の推進方策についての中間とりまとめ案が公開されました。本案では、省エネ法の次世代省エネ基準(1999年基準)を見直し、断熱化や日射取得等の「外皮性能」に加えて、太陽光発電等の導入による「創エネ性能」、空調、給湯、照明等の「設備性能」も評価の基準とする方針が示されています。

また、住まいの今後の目指すべき姿として、「2020年までに標準的な新築住宅でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー/ゼロ・エミッションハウス)を実現し、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現すること」と掲げられています。

来る2020年の省エネ法改正において、全ての新築建物は少なくとも「次世代省エネ基準(1999年基準)」に対する適合義務を負います。更に、この基準がどのレベルまで厳しくなる見込みなのかはまだ明らかにされていません。しかしながら、ZEHに向けた“次々世代”とも言うべき省エネ基準が求められる中、住宅会社としては現行基準から見ると非常に高いレベルの対応が必須になることは確実といえそうです。

タイト・モールド工法による基礎断熱の効果

図1は、建物が同じ性能条件の場合、“床下断熱”と“タイト・モールド工法による基礎断熱”との比較で、熱損失量がどのように変化するかシミュレーションした結果を表したものです。

住宅の熱損失は床下、基礎部分からのものが約20%を占めます。この部分について、タイト・モールド工法の基礎断熱の採用により、熱損失量が全体で24.4w/k減となり、Q値が2.91w/㎡kから2.69w/㎡kに改善され、次世代省エネ基準をクリア(Ⅳ地域)する性能向上になります。

図2は、予想される“次々世代”の基準であるQ値1.9w/㎡kをクリアするシミュレーション事例です。タイト・モールド工法による基礎断熱は、単純な数値には表しにくいダイレクトゲインによる太陽エネルギーの有効活用や地熱エネルギーの利用にも向いており、省エネ住宅の実現に大きく貢献するものと考えられ、弊社では強く推奨しています。

下記グラフはタイト・モールド工法による基礎断熱を採用した住宅において、「外気温」、「床下温度」、「室内温度」を2011年の夏冬に計測した実測データです。

冬場は特に外気温が氷点下に近いときでも、床下温度、室内温度は安定しており、基礎断熱の効果が見てとれます。

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