「HOS ーIndex」から住宅購入者の 本当の後悔を知る

(ページ:1/2)

「HOS ーIndex」から住宅購入者の 本当の後悔を知る

OB 顧客が答える HOS [Home Owners’ Satisfaction] -Index 調査結果は? 購入予定者は、あなたの住宅会社を選んでくれる?

住宅購入者の本当の後悔を知り、心から喜んでもらえる住宅とは何か?を解き明かす

先日行った顧客満足度調査によると、下記図のように衝撃的な結果が発表されました。

また、自分のマイホームに点数をつけるとしたら100点満点で何点か聞いたところ、平均67 点という結果が。マイホームに対し理想と現実のギャップを感じているという回答が100%であったということからも低い平均点の結果に少なからず驚かれた方も多いのではないでしょうか。一般に住宅が完成し住み始めた頃は、認知的不協和という心理効果が働き「痘痕(アバタ)も靨(えくぼ)」と感じてしまうものです。時間が経つにつれその心理効果は変化していきます。例えば、建設中の工事関係者のちょっとした態度の悪さが記憶に残り、後に不満足の度合いを増幅する等、家そのものの他に工務店の対応などの面も満足度を左右する大きな要因となります。それらがある程度落ち着くには半年〜1年程度の時間を要します。

そのような時間を経過した住宅オーナー(OB 顧客)に向け、本当に喜んでもらえる住宅とは何かを解き明かす調査が今回ご紹介するHOS[Home Owners’Satisfaction] -Index 調査です。弊社では8年前より研究を進め、満足度評価時に認知的不協和に陥り易い住宅分野において、顧客満足度に深く影響する「要望の実現度」や「プロとしてのアドバイス実行度」など不満や後悔の原因抽出を行い体系的な整理を行いました。

加えて、満足度調査と同時に営業設計段階からアフターサービスに至る各プロセスでの不満要因や後悔要因を引き出し、何を改善すれば満足度を高められるのか、各会社や商品(事業)毎の課題抽出を同時に行えるよう改良を加え続けています。

調査結果から選ばれる住宅会社の要件とは

さて、以前にプレ調査しましたA 社、B 社(各社仮名)で各々住宅を購入者への調査結果を図2に示しました。図2はHOS-Index の主要3指標を比較できるよう並べたものです。上から「感性満足度指標」「安心満足度指標」「設計施工プロセス後悔度指標」を示してます。尚、感性満足度指標の要素である安心度は「安心満足度指標」の総合値としてプロットされており、一方、安心満足度指標の要素である充足度は「感性満足度指標」の総合値としてプロットされています。

図2を見ますと、A 社はB 社に比べ明らかに「美しさ」の満足度は高いのですが、「心地良さ」と「使い易さ」といった、生理的・機能的欲求では評価が低く、そのバランスの悪さが伺えます。加えて、A 社の設計施工プロセスについても、意匠設計能力は問題ない傾向が出ていますが、性能や経済性、全体の説明能力の低さから見て、住まい手のニーズを聞かずにデザイン性だけを追求した家作りであったようで、大きな不満と後悔をはらむ事例と言えます。

一方、B 社は総合的に満足度が高く、後悔度は低い事例であると言えます。相対的に高いのは「設計施工プロセス後悔度指標」の動線・空間・意匠という要素で、この原因は建築家の力量不足が現れたと言って良いでしょう。

page: p1 p2

ページトップに戻る