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既築建物についても様々な制度が設けられています。ドイツは1990年以降、エネルギーリフォームや改装事業が新築事業を上回っております。現在新築30万戸/年、リフォームは150万戸/年ということで、金額でも件数でも圧倒的なリフォーム市場となっております。なぜリフォーム事業が盛んにおこなわれているかといいますと、既築住宅の75%が、エネルギー規制の無かった1980年以前に建てられており、これらの物件を集中的にエネルギーリフォームするために2001年度ドイツ政府がエネルギーリフォームの補助金として550億円を捻出したという背景があるからです。ただ、この550億円の投資は、単にエネルギーリフォームを行うだけのものではなく、リフォーム事業が普及することにより雇用の創出や消費拡大など投資額の約7倍の経済効果を生み出すと見込まれております。ドイツのみならずその他のEU各国もリフォーム事業を推進しており、もちろん民主党もリフォーム事業の普及による経済効果を認識しておりますので、これから先、日本でもリフォームの需要が増えていくのではないかと思います。
前述のとおり、今後、エネルギー価格が高騰していくことは避けられない現実です。来るべき時に向け、ドイツでは着々と法整備など国家レベルでの対策が進められておりますが、一方、日本はと言いますとエネルギー基準、健康基準、住宅性能・耐久性に関する基準などすべての面において未だ不十分であるといえます。しかし、先日COP15の会議が開催されましたが、国際社会の中で日本の役割を果たしていくためにも、今後環境保護に向けた法律や制度が加速度的に整備されていくと思われます。
今年8月に政権を奪取した民主党の「政策インデックス2009」の中にも、長期優良住宅の普及促進と建築基準法の見直し 、「エネルギー証明書」 の普及、中古リフォーム流通市場の活性化が目標に掲げられているように、今後は、ドイツの事例にもあった、住宅のストックとしての価値を高められる高耐久住宅の普及、エネルギー効率の高い高性能住宅の普及、都心回帰による既存住宅の流通及びリフォーム市場・賃貸市場の活性化が促進されます。そして、取引される物件の構造、耐久性能、環境性、中古物件であれば家歴など、あらゆる情報を正確に分かりやすく伝えていく「インフォームドコンセント」が一段とその重要性を増すことになります。
弊社ではこの来るべき時代に向けて、住宅・不動産業界の皆様が先進的に新たな事業に取り組めるよう数々な商品を取り揃えております。
前々号でご紹介しました「R+house」はエコ基準の最たるものであり、長期優良住宅の基準を大幅に満たす性能を保有しながらも、日本独自のニーズの高いデザイン性と流通コストを極限まで低減させて実現したバリューコストのすべてを兼ねそなえた住宅商品として事業を展開しています。
また、リフォームに関しましても、こだわりを持った団塊世代を中心に、都市の中心エリアの再開発、中古マンションのリニューアルのニーズが高まっていく中で、特に、高額リフォーム受注が可能なデザインリフォームの分野に競争力の高いビジネスモデルを投入予定です。当然、健康や省エネを意識したものになって参ります。
さらに賃貸市場が拡大していくことを考えると、ここにも高耐久で省エネという商材が求められていきます。
以前からご提供しているウィルスタイルはそれを見越した商品になっています。同様の形態をした商品が巷には氾濫しておりますが、エネルギー性能、耐久性などの面で決定的に異なる商品となっておりますので参考いただければと存じます。
ライフサイクルコストとエネルギーで住宅を考えるべき時代がやってきました。今回は、ドイツの事例から今後の住宅・不動産業界の動向についてお伝えしてきましたが、早ければ来年にも訪れる住宅・不動産業界の大変革を勝ち抜くために今何をすべきか、弊社では今後も皆様に情報提供できるよう努めてまいります。