60万戸時代に対応するための工務店戦略とは?

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副次的に得られたメリット

OMソーラーのしくみ(夏の昼間)また、他にもOMソーラーに加盟して得られた大きなメリットがありました。それは、『パッシブ』という概念を取り入れた設計ノウハウを習得することが出来たことです。例えば夏は取り込んだ外気を床下へ経由させて土間コンクリートに蓄えられた冷熱を利用し、外気温よりも低い温度の空気を室内(床上空間)に送ります。冬は、屋根に降り注ぐ太陽の熱で空気を温めてそれを床下に送り、基礎コンクリートに熱を蓄えます。蓄えた熱は、夕方以降ゆっくりと放熱して建物全体を床から温めます。
さらに、OMソーラーシステムが稼働している間は、常に新鮮な外気を室内に取り込んでいます。暖房しながら換気ができるという点も、冬の働きの大きな特徴です。

OMソーラーには、全国800箇所以上のアメダス気象データをもとにした熱と空気のシミュレーションシステムがあります。OMソーラーのパッシブ設計のノウハウは、地域の詳細な気象データが元になっているので、それぞれの地域特性にあった快適で省エネな設計を施すことが出来るのです。

OMソーラーの家このようなパッシブのノウハウやツール類はOMソーラーの本部に数多く取り揃っており、テキストや研修などを通して、営業の場面でもわかりやすく説明することが出来るようになりました。こうして、OMソーラー加盟1年で、地域の気候特性を取り入れた設計ノウハウを習得し、自社の家づくりを地域に浸透させていくことに成功したのです。

最後に

太陽とくらす以上は、加盟わずか1年のOMソーラー会員の事例です。その成功ポイントは、住宅を購入されるお客様の志向性にマッチした商品・サービスを提供できるようになったことだと言えるでしょう。
今後ますます厳しくなることが予想される住宅業界においては、このように各地域の気候風土に基づくお客様の志向を把握し、その目線に立った自社の独自色を持たない限り、他社との過当競争の中で疲弊し、生き残ることが難しくなるのではないでしょうか。また同時に、お客様の要望にお応えするだけでなく、いかに自社の家づくりを地域に浸透させ、お客様に共感頂くか、それをどう他社との差別化ポイントとしてアピールしていくか、「地域独自の家づくり」が重要になってくるのではないかと思っております。
この事例の工務店では、OMソーラーの導入が、地域に自社ブランドを定着させ、安定受注構造を築いていくためにとても有効な武器となりました。ハイアスでは今後もこのように実際のお客様が必要としている商品やサービスについて、皆様に広くご紹介できるよう努めて参ります。

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