大工工務店が住宅事業の立ち上げに成功した秘訣

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初めての資金セミナーから3組の受注内諾

「ただ、ハイアーFPをすぐに使い始めることは出来ませんでした。追客中のお客様は1件もなく、完成物件がないので内覧会をすることもできなかったからです。集客施策を考えるところから始めないといけなかったのです。それで、ハイアーFPを使って資金セミナーをしようと思ったのですが…」と専務は振り返られます。
資金セミナーを初めて企画したのは2010年1月です。住宅設備メーカーのショールームを借りて、1月に3回のセミナーを実施しました。
協力会社やOB客、知人・友人への声掛けをしました。ポスティングは、専務一人で会場近隣のアパートに、1回のセミナーで2千枚を配布しました。3回のセミナーで少ないながらも7組の集客が出来ました。しかし、この中から3組の受注内諾を得ることが出来たのです。2月、3月は仕事で忙しかったため開催できませんでしたが、4月から再開し、1月の案件と合わせて現在までに6件の受注(内諾含む)を得ることができています。

他社で返済計画まで組んでいたお客様と契約

セミナーで効果的だったのは、住宅ローンの比較シミュレーションでした。
10年固定金利とフラット35の比較、フラット35とフラット35Sの比較、住宅ローン控除の金額を繰上げ返済に回した場合の効果などをセミナーでハイアーFPを使ってやって見せました。

最初にハイアーFPの効果が実感できた案件は、協力会社からの紹介でセミナーに来場された方でした。
この方は既に他社で返済計画まで作ってもらっていました。「売込みじゃないから行ってみな。お金の話なので勉強になるから」と協力会社から勧められて参加されたとのことでした。このためセミナーのスタートのときは、講師である専務に対するお客様の警戒心が強く、「お金の勉強に来ただけで、営業はされないぞ」という雰囲気を醸し出されていて、気軽に話しかけることも出来ませんでした。ところがセミナーが終了する頃にはお客様の気持ちもほぐれ、アンケートを記入頂くことができました。

このお客様からセミナーの1週間後に「聞きたいことがある」とメールが来ます。すぐに連絡を取り、来社をいただく約束をしました。来社されたお客様から「どんな家づくりをする会社ですか」と聞かれました。
セミナーでは、自社の家づくりについてほとんど話をせず、帰りがけにカタログをお渡ししただけでした。セミナーでの資金の話で、お客様からの強い信頼を専務は得ることが出来ていたのです。このため、お客様からA社の家づくりに関心を寄せていただけたのです。

来社されたときは、自社での家づくりについて90分ほど話しました。そのあとは、トントン拍子でした。すぐに「A社でお願いしたい」というメールがお客様から届いたのです。そこで、FP相談のアポイントを取りました。FP相談により土地代込みで総額4千万円と予算がグリップでき、完成後1ヶ月間、モデルとして使わせてもらうモニター契約書にサインをもらいました。

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