省エネ 省CO2 基礎断熱「タイト・モールド」

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消費者への基礎に関する情報開示

弊社では、断熱材や地盤改良など、一般消費者には見えにくい部分の品質管理や省エネ性能の向上について様々な取り組みをして参りました。特に地盤改良に関しては、本誌でも常時掲載させていただいており、セメント改良の六価クロム問題などを指摘して参りました。その結果、最近は、消費者に対して意識の高い工務店経営者の皆様は、既にセメント改良の採用を停止し、エコ地盤改良HySPEED工法に切り替えられ、それを工務店の姿勢として消費者に伝えることで、競合排除・他社との差別化をされるようになってきました。

今回は基礎の話になりますが、同様に、問題点は多数見受けられます。基礎は、地盤改良と同様、もしくはそれ以上に、建物全体を支える非常に重要な部位になります。また、一度建築が終わってしまうと、取り換えが難しい上に、日常生活では目に見えないため、状態を把握することも困難になります。したがって、基礎施工時の品質管理や性能の見える化は極めて重要になります。

にも関わらず、養生期間が十分でなかったり「耐圧盤」と「立ち上がりコンクリート」の継ぎ目の品質管理が十分になされていなかったりなど、多くの課題が散見されます。今後弊社では、基礎工事の問題点を事例収集し、そういった問題を消費者自身がどう回避し、工務店とどのように接触すべきかなどを取りまとめ、新たなwebサイトで一般公開をし、業界の新たなスタンダードを構築していきたいと思っています。

また、品質の観点だけでなく、省エネやCO2排出量などに関しても、基礎は重要なポイントですので、弊社では、今後床断熱ではなく、基礎断熱を広く世の中に広めるべきだと感じています。弊社で全国展開をしているデザイナーズ住宅ネットワークR+houseにおいても、品質の安定性を重視して標準基礎として推奨をしている「タイト・モールド」の全国展開を、年明けより進めて参ります。

木造住宅の基礎として布基礎が主流だった時代は、当然床下断熱が施されていましたが、べた基礎が主流となった昨今、その性能の良さから基礎断熱を採用するケースが多くなってきました。以下、基礎断熱の優位性について列挙します。

(1) 高湿になりがちな床下が室内空間になるため、乾燥状態を保て、
   構造体の耐久性が向上。
(2) 基礎断熱は密閉するので外気の影響を受けず、断熱気密性能を
   安定的に確保しやすい。
(3) 基礎と土間のコンクリートは室温や地熱の蓄熱層として使えるので、
   省エネルギ―効果と室温の安定に効果があり、夏は外気より低い
   温度の地熱により、床はヒンヤリ感があり、冬は蓄熱により暖かくなる。
(4) 配管周りや、ユニットバス周りの気密工事が不要のため、施工が
   省力化できる。
(5) 床下に、給水、給湯配管などが転がせるため、凍結の心配がなく
   メンテナンスが容易。
(6) 床下を収納庫などに利用できる。

続いて、タイト・モールド型枠の特徴を述べます。型枠は硬質系発泡材なので軽くて扱いやすく、施工現場における型枠組みと異なり、天候などの影響を受けることなく、安定した環境のもとで製作され、また職人の技術に左右されず、きわめて精度の高い、品質の一定した基礎をつくることができます。さらに現場工期短縮はもとより、現場に余分な資材を持ち込まないため、施工現場の美観保持、廃棄物抑制などにも貢献します。また、タイト・モールドは、浮かし型枠で耐圧盤と立ち上がりコンクリートを同時に施工するため、その間の継ぎ目も生じず、水の浸入も防ぎ、耐久性に優れた地震に強い基礎ができます。他、1回打設なのでポンプ車も1回だけで済み、面倒な型枠の片付け作業・運搬もなくなり工期の大幅短縮&コストダウンができるなど、メリットは多数あります。もちろん、型枠は防蟻対策済みの断熱材なので、そのまま基礎断熱材になります。

【従来の鋼製型枠とタイト・モールド 施工工程の比較】

結果、工務店にとっては、タイト・モールドを導入することで、基礎工事の工期・作業時間の短縮、基礎を含む住宅の工事全体のコストダウンが実現できるのです。

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