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国によって住宅への価値観は大きく違います。日本では取得者にとっての住み心地という『個人の価値観』が価値評価の基準となっていますが、米国では「将来、いくらで売れるか、いくらで貸せるか」という『市場価値』が最も重視される基準となっています。その証として、日本の住宅ローン融資時の担保は「命懸け(団信付き)ローン」ですが、米国ではその家屋敷の「将来の市場価値へのローン」 であり、日米の住宅価値への意識を異ならせる大きな要因となっています。
そのような市場経済の住宅市場を持ち、グリーンニューディールを進めている米国のビルダーの様子を確認するために、フロリダで開催された「NAHB2011」を訪れました。
やはり予想通りエネルギー効率を意識した次世代材料がいくつかお目見えしていました。その主体はデュポンとダウケミカルの「遮熱断熱材」。日本では認識の薄い「熱エネルギーの75%は遮熱でなければ止められない」という事実がありますが、これに対応する新商品として発売されるようです。夏、エアコンで部屋の空気を冷やしても暑いと感じるのは壁や屋根、開口部を経由してくる赤外線が原因です。体感温度を左右する主な要因は赤外線なのです。冬も同様ですが、冬場は断熱が効いている室内で空気を暖めれば寒さを凌ぐことができます。
日本市場にはNAHBでの発表から3年で入ってくるという通説からいくと2013年あたりが「遮熱元年」になるのかもしれません。これも、故ドラッカーの言った「すでに起こった未来」なのかもしれません。