「住宅地経営」による価値の下がらない住宅作り

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日本版HOAの取り組み

これまでの日本でも都市計画による再開発や住宅地単位での管理規約など、様々な取り組みがなされてきました。個人地主主導での管理の場合、地主の死亡と相続とが不可避であり、借地人の権利は継承されるとしても、事実上は土地所有者の事情に振り回される結果になりました。他方、借地人主導の管理の場合、その責任と権限の問題が障壁となり、管理規約の強制力が発動されないケースが見られました。

我々が今後取り組む日本版HOAでは、これらの諸問題を鑑みて、住宅地全体を法人(街づくり会社)の管理下に置き、住宅を建てた後も住宅の資産形成を維持・向上する管理の仕組みを構築したいと考えています。その法人に住民や自治体、民間企業が出資し、法人の企業活動の結果として住宅地が資産化されることによって、出資者が受益できる仕組みを構築します。

また、その住宅地を経営する主体者はその住宅地に居住する人間でなければならないとの考え方から、各地で専門知識を学習することができるアカデミーを設立して、支援したいと考えています。このスキームのポイントは、参加者それぞれが主体者となって活動することです。

このような取り組みを実施するためには、これまでの住宅を建設して、住宅地経営をしないやり方、日本の民法で定めているような「土地と住宅とが独立した不動産である」と言った不動産の取り扱いを改め、都市計画を有機的な一元的な都市空間計画であり、土地と建築物は一体であるという社会科学的に合理的な考え方に立たなければなりません。都市をモザイク画とすれば、建築はモザイクの石に相当するという考え方に立って、素晴らしいモザイク画を作るためには、都市景観として優れた都市空間を造るのと同じように、モザイク画の下絵としての都市計画が大切であることの理解が不可欠なのです。

その具体的な施策として、弊社は街づくり会社の設立とアカデミーによる地域人材の育成を掲げ、日本の住宅地の資産価値向上に寄与していきたいと考えています。

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