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日本で不動産流通を活性化させるためには、「エージェントモデルの導入」とその前提にある「不動産物件情報の可視化」が重要であるとの話をさせていただきました。この考え方を日本の不動産市場にマッチする形でカスタマイズしたシステムが今回ご紹介するエージェント・マスター・サービス(AMS)です。
図2に従来型の物件情報収集方法とAMS型の物件情報収集方法を表します。一般的な不動産会社では、物件情報を収集するために各営業社員がお客様とのアポ以外の空き時間を利用して、インターネットや新聞・チラシ、不動産会社訪問等により、いわば人海戦術で行っていることが現状です。当然、物件収集のモレによる契約機会の喪失や工数不足による業務の遅れなど、一見順調に業務をしているように見えてもかなりのロスが生じていることは否めません。
一方AMS型の物件情報収集では、繁雑な業務である物件情報の網羅的な収集を外部機関に委託します。エージェントは、定期的に送付されるスクリーニングされたデータを、コンピューターシステムを利用して選別や分類を行うだけですので、スピーディーでかつ網羅性の高い物件情報データベースが構築できます。
(1)生産性改善
図2に示す通り、物件情報収集に費やす時間は少なからず営業活動に充てるべき時間を圧迫します。これをシテム化することにより、付帯工数を主体工数に転換すことができれば、生産性が高まることは間違いありません。
(2)物件鮮度
AMS型の物件情報収集では、前日に更新された物件情報を遅くとも当日の10時にお客様に紹介できます。それに対し従来型の物件情報収集では、運が良ければ当日の10時に紹介できるかもしれませんが、世の中に溢れる数多くの物件情報の中からタイミングよく収集しなければなりませんので、必ずスピードの差が出てしまいます。このタイムラグは売買仲介の現場では契約率の決定的な差になります。
(3)物件網羅性
なかなか物件を決めきれずにいるお客様の中には、他の不動産会社に行けばもっと良い物件があるのではないかという顧客心理が働いています。それを解消するために複数の不動産会社を回り、いろいろな物件を紹介してもらいますが、客観的な判断基準がないためどの物件を選んでよいのかわからず、結果として妥協をしたり、不動産を買うのは大変なのでやめてしまおうかというお客様もいることでしょう。
AMS型の物件情報収集では、この顧客心理を逆手にとって、図3に示すeMAP等を活用して、エリアの最新の物件情報をこの店舗で全て集めていることをお伝えすることから商談を開始しています。これにより不動産会社選びという心理的ハードルを除去し、物件探しに集中する環境を提供します。これも物件情報を網羅的に収集しているからこそできる営業手法です。