「R+house」をベースとしたパッシブハウスへの挑戦

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快適性と省エネ性を導く設計のプロセス

「R+house」は建築家とつくるデザイナーズ住宅。そのデザイン力を環境デザインにまで活かしているのが、「R+house zero」の特徴です。自立循環型住宅の技術手法には、大きく分けて以下の3 種類がありますが、「R+house zero」を設計する建築家は、主に、[A:自然エネルギー活用技術]と[B:建物外皮の熱遮断技術]に焦点をあてて、力を発揮することになります。

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設計のプロセスとしては、まず外皮の断熱設計を行い、内外の熱の行き来が遮断されるよう躯体の断熱性能を確保します。次に、自然風を取り込む通風デザイン、軒や庇の工夫による日射の遮蔽と取得、昼光を利用した明暗の演出など、自然エネルギーを有効に活用する為の設計を行います。特に、風や太陽光のコントロールは、土地を読んだ緻密な設計技量が必要です。自然風の利用を例にとって、具体的な設計手法を紹介してみましょう。

まず自然風を利用したい季節に、その土地に頻繁に吹く風(卓越風)の向きを確認します。そして敷地周辺の建物の立地状況(密度が高いか低いかなど)に応じて、建てたい住宅の配置や形状を決め、壁面や屋根面の風圧力差を検討します。その結果を踏まえて、通風に有効な開口部を、最適な場所に配置していくことになります。

また、取り入れる風をより快適な温度に調節するための植栽や池の配置など、外構計画も大切な要素となります。こうした例からも、建築家による設計プロセスは、非常に重要な意味を持つと同時に、快適な暮らしを手に入れるための鍵でもあるということがご理解いただけると思います。

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