第5回R+house全国大会のご報告

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特別講演

今回の全国大会では、2 人のゲストをお招きしました。

1 人目の慶応義塾大学の伊香賀俊治教授には、「住宅性能と健康の関係」についてご講演いただきました。

年々増加している家庭内死亡事故。その多くは寒い季節に起こっています。図1 は、疾患別の住宅内死亡者数を表したものですが、特に11 月〜 3 月に循環器疾患により亡くなられる方が多いことがわかります。

1年間の住宅内での死亡者の推移(疾患別)

イギリスでは冬季の室内推奨温度は21℃とされています。寒さによる疾病・死亡リスクを低減させる上で、住宅の断熱性向上等を通じ、室温を高めることが重要ですが、日本での取組みはまだまだ不十分と言わざるを得ません。

高断熱住宅への転居による有病割合

図2は、高断熱住宅に住む前と後とで、アレルギーや高血圧に関連したものなど、有病割合の変化の様子を表したものです。高断熱住宅に住むことが、いかに健康面に好影響をもたらすかがご理解いただけるでしょう。

伊香賀先生のご講演に対しては、「多くの気付きがあった」との声を、数多くの加盟店様から頂戴しました。健康性能の観点からも、R+houseが進んでいる方向が間違っていないことを実感いただけたことでしょう。

先生は長年、住宅性能と健康との関連性についての研究を行われており、その分野の第一人者でもありますが、現在当社と共同で研究データの採取を進めているところです。

ゲストスピーカーの2人目は、社団法人日本エネルギーパス協会の今泉代表理事です。今泉理事からは、日本エネルギーパス協会で推奨されている、世界基準の省エネ建築や、日本の住宅における消費エネルギーの見える化促進についてお話をいただきました。

「家の燃費」の表示は、全てのEU加盟国において、すでに義務化されていますが、日本では未だその基準すら明確化されておらず、消費者は判断する「ものさし」を持っていません。

客観的で分かりやすい「エネルギーパス」のような「性能評価指標」を持つことが、今後、住宅を提供する事業者には、求められることになるでしょう(「エネルギーパス」については本紙25号でも詳しく書かれていますので、是非ご参照いただければ幸いです)。

エネルギーパス

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