住宅営業を科学する「リライフクラブ」の取組み ~案件の長期化を防ぐべく、もう一度住宅営業を見直そう~

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目立つ折衝案件の長期化

2014 年4 月、消費税が5%から8%へと増税されます。既に旧税率が適用される経過措置期間も終わり、駆け込み受注も一旦はおさまったようです。

多くの住宅会社より、昨年の受注は非常に好調であったとのお話を伺っています。中には、従来に比べ倍の受注をとられたところもあります。こうした企業では、約束した時期に引き渡せるよう、施工現場を切り盛りするのに忙しい日々を送られていることでしょう。

このように、一時の春を謳歌している住宅業界ではありますが、経営者の皆様が口を揃えて仰るには「問題はこの後」、つまりこれから訪れるであろう反動減に備え、戦々恐々とされています。

既に、展示場への集客数や見込み客の発掘数の落ち込みを実感されている方も少なくありません。有力客の刈取りも終わり、いま商談を進めているお客様についても、結論の先送りなど長期化する傾向が見られるといいます。

現在検討しているお客様は、「増税」という取得時期を早めるのに十分な出来事を前にしても、行動を起こさなかった方々でもあります。こうした「焦らずゆっくり」の姿勢を崩されないお客様を相手に、数少ない案件も長期化しているというわけです。

住宅営業は今のままで良いか?

本来であれば、こんな時こそ、お客様の迷いを払拭し最適な住宅購入のタイミングを導いて差し上げるという、営業マンの頑張りに期待したいところです。しかし、私どもが、そういった方向に水を向けても、多くの経営者は「それはできていないなぁ」と躊躇いを見せます。

最近の住宅営業は、良く言えば「お客様のペースに合わせている」、悪く言えば「お客様の言いなりになっている」……そんな傾向が強いようです。

一般的にも、強引と見なされかねない営業はすべきではないという風潮が出てきました。「俺たちが若手だった頃なら、夜討ち朝駆け訪問など当たり前だった」と、今の営業マンにもどかしい気持ちをお持ちの経営者の方は少なくないはずです。

「連絡はメールで」
「電話でどうですかは厳禁」
「 何度も電話してはダメ」
「連絡したのは来場してもらった後の一回きり」

最近の住宅営業

といったところが、今の営業マンの習性、セオリーでしょうか。確かにお客様の心情を無視した強引な営業は、ビジネスマナーという意味でも、業績を挙げるという目的から考えてもすべきではありません。

問題は、新しい時代にあったスタイルを模索することなく、嫌がられるからただ何もしない、そういう営業になってしまってはいないだろうか、という点です。

しつこいと言われるから何も説明しない、お客様の言葉にただ同調するだけのコミュニケーション。嫌な顔をされるのを恐れて踏み込んだヒアリングもできない――これでは、営業の名に値せず、単なる御用聞きになってしまいます。

「資金相談」スキルで、お客様との関係性を変える

いまこそ、「お客様の気持ちを無視した強引なやり方は採らない」ということと「何もしない」ということは、全く別物である、という認識を持つ必要があります。「それじゃあ、一体どうしたらいいのさ?」という声が聞こえてきそうですが……。

住宅を買い慣れているお客様など、まずいません。それ故に、購入に際しては誰しも疑問や迷いでいっぱいのはずです。これからの住宅営業に求められるのは、自社の都合でただただ背中を押すのではなく、そうしたお客様の心情に寄り添い、アドバイスをする側と受ける側というような関係性を築くような営業スタイルではないでしょうか。

そのためには、お客様から「アドバイスを求める対象」と見なされるだけの知識・見識、そしてそれをお伝えするコミュニケーション技術が欠かせません。そういう観点に立った、「今の時代に合った形での再教育」が求められているのです。

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