81%が「対策は何もしていない」・・・・・・相続意識調査から読む今後の市場動向~社会問題となりつつある相続トラブル、不動産会社が果たすべき役割とビジネスチャンスとは?~

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29-04-7

一言でいうならば、回答者のご家族ならずともかなり心配になる結果です。

そもそもほとんどの相続は、いつ発生するかわからず、(そのときは)不意に訪れます。「亡くなるまでに財産を使い切ってしまおう」と思うような方であっても、必ずい
くばくかの現金や自宅などの資産は残ります。

全く準備をしていないにも拘わらず、いくらかでも財産を残した状態で相続が発生する――これが相続トラブルの始まりです。裁判にまでもつれ込むケースが年々増加していますが、図表7 データを見ればこうしたトラブルが、相続財産が多い事案に限ったことではないことがご理解いただけるでしょう。実に遺産分割事件の71%は、5,000 万円以下の遺産額を巡って争われています。

図表7

これから2015 年1 月の相続税改正を間近に控え、テレビや雑誌などでも、トラブル事例など相続関連テーマが頻繁に取り上げられるようになりました。

それに応じて、「自分の場合は大丈夫だろうか?」「相続税はいくらになるのだろうか?」「自宅などの不動産は誰にどのように相続させたらいいのだろう?」といった不
安を持たれる方が増えています。

1,500 兆円ともいわれる日本の個人金融資産。その多くは60 歳以上の高齢者世帯に偏在しています。つまり、今後十数年をかけて、莫大な資産が高齢者世帯から次の世代へと移転していくことになります。

その移転が行われる主たる機会が「相続」というわけです。その際に「資産」をどう評価するか、誰に引き継がせるのか、納税資金は確保できているのか等、検討・決定・準備することは数多くあります。

このままでは、相続の当事者の多くが、そうしたことについて、認識することも対策を講じることもなく、その瞬間を迎えることになります。相続がこれから本格化する中、それにまつわるトラブルが大きな社会問題になるかもしれません。

誰が相続相談を担うべきなのか?

前述したように、相続に際しては、遺贈者・受贈者双方にとって、法律や税制など難しい点が多くあります。相続人が複数の場合、トラブルの種になりやすいのは、どの資産を誰にどれくらい相続させるのか、つまり「分割(の仕方)」です。中でも一番厄介なのは、自宅や遊休地、大きさなど、公平な分配が難しい「不動産」です。

日本人が保有する資産の約7 割は不動産である以上、相続がスムーズに終えられるかどうかは、一番大きな資産である不動産をどう評価してどう分けるかということにかかっています。

では、その当事者だけでは対処が難しい不動産の相続問題をいったい誰に相談するべきなのでしょうか。アンケートでも8 割強の人が「誰に相談したらいいかわからない」と言っています。多くの方々は、弁護士、税理士、金融機関などをイメージされるものと思います。

しかし、 税理士さんは税制のプロ、弁護士さんは法律と紛争処理のプロであって、どちらも不動産のプロではありません。不動産を持っている方が、相続について最初に相談する相手は、本来相続に詳しい不動産のプロであるべきです。

そのため、昨今「身近な相続相談所」になるべく準備をしている不動産会社が急増しています。

まず重要なのは、相続相談担当者の育成です。元々不動産業の従事者には、宅地建物取引主任者やその上位資格である公認不動産コンサルティングマスター等の資格を持ち、民法や相続についての基礎的知識を備えた人が数多くいます。そういった素地のある方であれば、さらに相続事例を学び、相談対応スキルを高めるトレーニングを受けることで、知識のない一般顧客に対する一次相談窓口として、十分にその役割を果たすことが可能
になるはずです。

次は認知度の問題です。まだ世間一般には「相続相談=不動産会社」というイメージがありません。相続市場の急拡大は既に始まっており今後も続きます。「相続は不動産の扱いが鍵を握っています。不動産を持っていて相続に不安がある方は、まず街の不動産会社へ相談を!」という新しい常識・セオリーを広めていく必要があり、そのための告知・広報活動に力を注ぐべきです。

相続相談窓口事業「ハイアークラブ」

ハイアスでは、ハイアークラブ/ HyAA - Club というブランド名で、不動産コンサルティングスキルを上げる担当者育成事業を展開しています。不動産担当者が知っておくべき相続に関する基礎知識から相談対応手法、ファイナンシャルプランニングに至るまで、教育体系を整備して、相続相談対応ができる不動産実務のスペシャリストを養成しています。

こうした不動産コンサルティングの現場で培った相談対応ノウハウは、誰でも簡単に再現できるよう「マイハイアー」というIT ツールに落とし込まれています。知識が不足している方や顧客対応の経験が浅い方でも、短期間でプロのノウハウを習得・実践できます。

ハイアスは、グループ会社のans(アンズ)にて、一般消費者に対する住宅・不動産の相談窓口事業を展開しています。このans の店舗でも、シニア世代のお客さまから、住宅の建替えやリフォームの相談に関連して、しばしば相続の話が出てきます。そんな時、ハイアークラブでトレーニングを受けた担当者による「マイハイアー」を駆使した相談対応は、お客さまから私どもへの信頼度向上という点で、大きな武器になっています。

相続と不動産は切っても切れない関係にあります。私どもが期待しているのは、地域に密着して不動産事業や住宅事業を展開している皆様が、「街の相続相談窓口」としての活動に力を入れられることです。その会社にとって、不動産ニーズを川上でキャッチする仕組みができるのは言うまでもなく、今後予想される相続トラブルを未然に防ぐ社会インフラとしての役割を果たしていくことにもつながるからです。つまり、ビジネスチャンスであるとともに、地域貢献にもつながる重要な活動でもある――そうしたテーマといえるでしょう。まず「ハイアークラブ」で学ぶことから始めましょう。(川瀬)

相続意識調査概要

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