生き残るための新・スタンダード 〜地域工務店のあるべき未来像〜

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住宅市場の現状とその背景

平成26年4月の建築着工統計によりますと、平成25年度の新設住宅の着工戸数は98万7,254戸となり4年連続の増加でした。利用関係別の内訳をみると、持家は35万2,841戸、貸家は36万9,933戸といずれも前年比10%を上回る増加でした。

すでにご存じのとおり、この動向の背景は消費税増税をきっかけにした駆け込み需要が押し上げた効果であり、さらに貸家の着工動向には平成27年1月1日以降に発生する相続に適用される相続税の改正(増税) が大きな背景となっています。しかし、これを市場の将来性、成長機会と捉えるか?と考えると、この税制に起因する「一時的な動向」と冷静にとらえることが大事ではないでしょうか。もちろん、いま目前にある商機をきちんと捕まえ、ビジネスを拡大することは当たり前のことですが、そのように一時的な好況のなかで将来を見据えることこそ、地域工務店に持続的な経営をもたらすことに繋がるのではないでしょうか。

ハイアークラブとは

ハイアス・アンド・カンパニー(株)が展開する経営 支援システムのひとつに「ハイアークラブ」というもの があります。これは不動産会社や工務店がお客様と接 触する際に、より顧客の立場に立った提案を提示するためのツール、システムで、具体的にはシミュレーション アプリの提供や相談セミナー開催のご支援などを行っております。現在は全国で約300社の会員にご利用いただいているネットワークになっています。

ハイアークラブとの連携による差別化と将来戦略

賃貸住宅経営には不確実な要素がたくさんあります。地域の人口や雇用の変動による需要の変化、競合物件の登場や住宅設備の陳腐化による家賃の変動など、数え上げれば心配は尽きません。まして国全体として将来の人口や世帯数の縮小予測がいわれる中で、賃貸住宅 の建設と経営をお勧めすることは難易度の高い取り組みといえます。建設するかしないかについては、最終的に地主(投資家)ご自身の決断となるわけですが、商機をよりたくさん作る、あるいは商機をより高い確率でものにするためには、決断に際していかに適切な選択肢の提示と、選択するための条件や情報を提供できるかがカギとなってきます。そのように考えたとき、ハイアークラブの機能や機会をうまく使うことで、施工受注につながる信頼関係の構築を実現することは有効な手段であると考えます。

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