キーワードは健康住宅 住宅の省エネルギー化推進にむけて
~第15回 全国健康住宅サミット 四国大会~

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省エネ化取り組みでビジネスチャンス拡大
キーワードは健康住宅

ここまでの記述のように、住宅の省エネルギー化は地域工務店にとって機会であるわけですが、機会を活かすためにも、省エネ化の効果について幅広い視点からの理解と正しい伝え方が必要となってくるでしょう。省エネルギー住宅の消費者向けのPRとしてよく用いられるのが、エネルギーコストの比較です。もちろん、その視点は実際に目に見える効果として現れることが多いでしょうし、住宅取得検討者の判断情報としてはわかりやすいものでしょう。しかしエネルギーコストは、居住者がどのような生活時間パターンを持つか、あるいはどのような温熱環境を好むかで差が出やすい指標であり、一律的な比較が難しい部分もあります。そこで幅広い視野の一つとして、消費者コミュニケーションの切り口として「健康住宅」という切り口を今一度重視することを考えてみました。

健康住宅の定義には、これというものがあるわけではないようです。多様な視点がある中で、私たちは、健康住宅とは健康維持増進住宅であり、「健康の維持・増進に関して付加価値の高い」住宅であると考えます。では高い付加価値とは何か。省エネのための断熱性能の向上がもたらす、波及的な健康性、快適性、遮音性などのコストベネフィット以外の便益であり、具体的には、例えば「健康に暮らす住まい 9つのキーワード 健康増進住宅ガイドブック(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構2012 年)」で示されているように、「断熱性能や通風、換気が十分に確保されていない家に住む人は冬に風邪をひきやすい」傾向や「冬にトイレやお風呂が寒すぎて、心臓に負担がかかり、倒れてしまう」こと、そのようなことが住宅の中で起きないという大きな便益をもたらすことです。この便益は長寿化した日本の社会からも歓迎されるべき要素だと考えます。

健康の維持・増進に関して付加価値の高い住宅の供給をけん引することが、地域工務店の商機を拡大することに繋がるはずでしょう。

国内屈指、充実の講師陣が大集合またとない機会となった
第15回全国健康住宅サミット

全国健康住宅サミットは今回で15回を数える大会であり、その目的は「健康住宅の普及・拡大」であり、「来るべき高性能住宅時代、地場の工務店が業界の主導権を握れるか」を考える場を創ることです。その目的に従い、「地域の工務店、住宅関係者」が一堂に会する大会となっています。

主催は全国健康住宅サミット協議会(会長 矢野宣行)。毎年各地の実行委員会によって企画、運営されています(15回四国大会の企画運営では弊社も実行委員会を支援しています)。

今大会は「デザイン×健康で、日本の住宅が変わる。」と題し、健康住宅の普及・拡大推進における競合差別化を図ることを目指します。大会の実行組織メンバーは、地域や資源、自然を守る社会の仕組みをデザインする、という広い視座に立った環境デザインへの配慮に加え、住宅そのものに対しても美しいだけの建築デザインではなく、人々の健やかな暮らしという幸せをデザインする、これこそが本当の意味で資産と成り得る住宅の提供であると考えています。

このような背景から、今回のサミットでは豪華な論客、講師陣をお招きしました。環境政策の先進国であるドイツの施策に詳しい方々、住宅の環境性能を単体ではなく環境との調和という視点で捉えるアイデアの持ち主、住宅の性能を可視化することで消費者の意識啓蒙と事業者と消費者の情報格差解消を推進する方々、あるいは、そもそも「暮らす」という視点で環境問題を捉える方々など、本当に様々な視点から来るべき高性能住宅化時代に向けて大いに参考になる知見を持つ講師陣が高松の地に一堂に会します。このような情報が集中的に一つの場所に居ながら手に入ることは、かなり貴重な機会だと思われます。次ページ以降、講師陣の紹介をしますので、ぜひ関心をお持ちの皆さんは直接その耳でお話を聞いてはいかがでしょうか。(塩味)

講師紹介(1)はこちら

講師紹介(2)はこちら

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