真に住宅不動産の資産価値を考える取り組み
〜一般社団法人 住宅不動産資産価値保全保証協会の活動方針を聞く〜

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オーガニックな土壌を壊さない地盤保証「BIOS」
地盤改良工事をしても、しなくても土壌汚染ゼロ「0」

現在、住宅業界の地盤に関しては地盤調査の結果、地盤改良工事をしないことが「善」という風潮があり、本来「不同沈下」という資産価値を損なうような事態を未然に防ぐ為に地盤補強を目的とした地盤改良工事が「悪」といった風潮があるようです。一部の保証会社が地盤改良率(地盤調査の結果、地盤改良工事が必要な判定を出す割合)を下げる事で住宅会社に採用促進している傾向があります。これは極めて危険な考え方であり、何かあったら保証しますという考え方自体、施主にとっては迷惑な話に他ならないのです。地盤調査データから適正な解析判定を行い、必要に応じて地盤改良工事を行い住宅の不同沈下を防ぐことは当然の行為であります。

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但しこの傾向の背景には、住宅建築予算を少しでも見た目の住宅設備、太陽光などに使いたいという施主の思いがあり、住宅会社にとってもできるだけお客様の予算を本来重要な地盤でなく建築工事費に廻したいという思惑のある会社も少なくないのが現状です。このようなお客様の思いを理解した上で将来的な不同沈下リスクに対して正しく指南することがプロである住宅会社の使命であるべきです。そもそも施主にとっては改良工事が無い事が大事なのではなく、入居後に地盤の不同沈下が起きないことが最大の関心事であり重要視されるべきことです。いたずらに改良率を下げて、「何かあったときは保証します」と言う考え方は、真に施主の立場に立った考え方とは言えません。また、地盤改良率を下げる事にフォーカスが当たっていますが、いずれにしても改良工事は一定の割合で生じます。住宅業界の改良工事の大半がセメントを使用した改良工事となっていますが改良工事による土壌汚染リスクについては殆どのケースで十分に配慮がなされていないという事実もあります。結果的に施主の資産である住宅地盤の資産価値を損なうリスクを常に負っている状態となっています。

協会ではこうした現状を踏まえ日本中の地盤が、汚染のリスクのない、土壌が本来もつ生態系機能を維持し、住む人にも、地球にも優しい住宅地盤が増えていくことを願っています。協会ではそういった願いを込めて今回、脱土壌汚染、セメントフリーを謳った地盤保証「BIOS」をリリース致します。地盤改良による土壌汚染リスクのない工法全般(セメントフリーの工法)に対して、一定の基準をクリアした上で環境配慮が確認されれば保証を付保することはもちろん、改良の必要のない判定が出た際も同様に地盤保証を付保していく方針とのことです。(加藤)
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