ハイアス・アンド・カンパニーがお届けする、住宅・土木・不動産業界の経営革新情報サイト
(ページ:3/3)
C社は、40年以上の歴史を持つゼネコンです。5年前に公共事業からの依存体質を脱却するため、住宅業界向けの環境対応型地盤改良事業に参入し、一定の収益基盤を築いてこられました。その後、民間事業での更なるシナジー効果を求め、3年前に住宅事業へ、そして1年前にはリフォーム事業へと参入し、大幅な業態転換にチャレンジされています。
このような業態の転換期に、課題として直面するものは何でしょうか。社長自身、現在の延長線上でこの計画が達成できるとの強い想いはありましたが、確信できず不安をお持ちの状況でした。そこで社長は自ら補講を申し出て、自社の経営計画のレビューを受ける中で、「戦略は組織に従う」との教えを受け、組織を構築できなければ、いかに素晴らしい戦略があっても達成不可能であることに気付きました。早速、現在の組織図を引っ張り出して、不足している部署に求められる人材像を記入し、この中期経営計画期間が満了する3年後の想定組織図を作成しました。すると、自分で思い描いていた以上に、人材の採用と教育が急務であることがわかり、早速、今から人材採用と教育活動に投資する意思決定をされ、現在も精力的に活動されています。
ここまで、経営研究会での事例をいくつか紹介させていただきました。参加された全ての企業の置かれた環境は異なり、参加者とコンサルタントで検討された処方
箋の数は数えきれません。
今回は、向こう3ヶ年の経営計画を策定しましたが、経営計画は立てるところで終わってしまっては実現されません。経営者自らが計画達成に向けて率先することはもちろんですが、遂行するのは現場で働く社員一人ひとりです。策定した中期経営計画を、社長が、自分の言葉でわかりやすく社員に伝えて動機づけし、計画達成に向けて全社員が達成イメージを共有していることが重要ではないでしょうか。この経営研究会では、自社での実践をサポートする企画(アドバンスコース)も開催予定です。修了された皆様には、引き続きご期待いただけますようお願い申し上げます。
本稿をご覧になり、経営者としてのレベルアップを実現されたい方、ならびに類似業種・規模の経営者と一緒に切磋琢磨しながら学べる環境をお持ちになりたい方は、本経営研究会は継続的に開催されていますので、是非とも弊社コンサルタントまで、お声掛けいただければ幸いです。
(鵜飼)