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ご存知のように、原価管理によって生み出された利益は営業利益に直結します。つまり、原価管理による粗利益率3%の改善はそのまま営業利益率3%の改善につながります。
ここで、実際にCMSによる原価改善のポイントを紹介します。原価管理の最初のステップは、コストアップ要因を撲滅することです。まず、そのコストアップ要因を掴むために、
の各段階において、直接仮設工事や木工事、外部建具工事、電気設備工事、住設機器工事など、工種ごとの原価データをCMSに入力します。これが完成すると、どのタイミングで、どの工種がコストアップしているかが一覧化されますので、改善すべきポイントが明確になります。
次に、ここで抽出された改善点に対してコストダウン策を検討していくわけですが、今回は材工分離の視点に基づく手法を紹介します。
ケーススタディ)
電気設備工事の工事原価が60万円で、これまでの実績値と比較して割高になっており要改善項目と設定した場合
まず、電気設備工事の工事原価を材工分離して、材料費と手間代に分離します。ここでは実績値やヒアリング結果に基づき、材料費20%・手間代80%で計算しますと、材料費12万円、手間代48万円と分解できます。(図表2)
このケースにおいて、材料費の12万円は使用した部材費用の積算でチェックが可能ですので、まず、その金額の妥当性を判断します。次に手間代の48万円について、実際に現場に入った人工数で割っていただくと人工単価が出てきます(図表3)。この人工単価が高い場合は発注先との調整が必要ですし、そもそも人工数が適正なのかについて、協力業者にヒアリングすることで、例えば、工事の段取りが悪く余計な日数が含まれていたり、大工さんとの連携が悪く1 日でスリーブ管を数か所開けただけの日があったり、作業効率を大幅に改善できるポイントが見えてくることでしょう。
このように作業を各工種別に分解していくと、コストアップ要因が材料費なのか、人工数なのか、人工単価なのかというコストを分解した分析が可能となり、発注先との調整に役立てるものとなります。こういったデータもなく、ただ単に発注金額を引き下げようとした場合、次回以降、その引き下げ分の割合が見積に上乗せされるだけになるため、コスト改善の根拠をもって発注先と交渉することをしっかりと踏まえて実践されれば、コストダウンというのは比較的受け入れられるものと言えるでしょう。
今回ご紹介したCMSのセミナーを6月に開催いたします。4月のセミナーを経て、導入いただいた住宅会社様も急増しており、追加で開催することになりました。
セミナーでは、CMSノウハウの開発者をメイン講師として、現場のコンサルティングの中で使用している原価改善ツール『コストダウン検討シート』をご覧いただきながらコストダウンのポイントについてお伝えします。ご興味のある経営者様は同封されているセミナーのご案内状をご確認いただき、是非ともご参加ください。(塩味)
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