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前述したように経営において目標設定とその達成計画は重要であり、『住宅事業経営研究会』では、3ヶ年の中期経営計画を半年かけて作成する支援をしています。具体的なカリキュラムは以下になります。
【現状把握】
■4期分の決算書から収益性・安全性・生産性などの経営指標の分析
■売上高や粗利益額を各事業ごとに分解して、プロダクトミックスを検討。その事業・商品に関わる人員と社員1人当たりの経費を踏まえ、事業ごとの採算性を正確に把握
プロダクトミックス (図表1)
【PPM分析(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)】
■現状の事業構成を『問題児』『花形』『金のなる木』『負け犬』に分類
■3年後の事業構成をイメージしPPMを作成
PPM分析 (図表2)
【改善項目の整理】
■セールスプロセス分析、マーケティング戦略の策定
■工事原価を工種別に分解してコストダウンの検討
【個社別の中期経営計画の骨子レビュー】
■3ヶ年の数値計画、想定組織図の作成
■1社ずつ計画の精度と達成可能性を高める施策を指導
【中期経営計画の発表】
■個社別の骨子レビューを踏まえ中期経営計画を完成させ、参加企業の前で発表
■会社に戻り社員向けの中期経営計画発表会を開催
上記のカリキュラムを通じて精度の高い中期経営計画を作成し、社内外に発信・共有することを研究会の目的としています。中期経営計画を作成する上で重要なことは、『期間あたりの利益額』『社員1 人あたりの利益額』です。以下に事例を示します。
この2つを比較すると1棟当たりの売上高・利益額は単価の高いケースAの方が大きいですが、1か月あたりの売上高・利益額はケースBの方が大きくなります。生産性という軸で考えると、単価が高い商品が必ずしも生産性も高いということにはならないと言えます。
事例1では『期間あたりの利益額』という視点で考える事例をご覧いただきましたが、事業ごとの売上高と利益額をつくるために関わった人員が多い場合、実際のところ生産性は高くないということがよくあるケースです。
この場合、売上高としては事業Aが大きく、メイン事業になっていますが、1人あたりの生産性で計ると事業B の方が大きいという結論になります。一概に言えませんが、生産性だけを考えた場合、事業Bに注力した方が良いことになります。
一度、自社の事業構成ごとに1人あたりの売上高、利益額を算出してみてください。メイン事業と思われていたが、1人あたりで計算してみたら低い生産性だったということがあります。自社の進めている戦略が正しいかどうかは事業成功において重要になりますので、定期的にメンテナンスすることをお勧めします。
R+houseネットワークでは、住宅事業経営研究会など会員の経営力向上支援を通じ、今年度の2,000棟体制実現に向けて全国の活動を強化しています。今後、R+houseブランドをさらに高めるため、様々な施策を行っていく予定です。今後も本誌でご紹介していく予定ですので、是非ともご期待ください。
(塩味)
(経営研究会の研修風景)
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