シリーズ眼を養う#009
R+house 住宅のデザインを探る

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他にはない変わった家が欲しい、家族それぞれの居場所、イメージで言うならば、それぞれのほら穴のような場所があること、個室は必要ないとのことでした。ヒアリングの際はそのような話で盛り上がりました。

ただ、そのまま形にすると、一見面白い、一度見てみたい家になるかもしれないとは思いましたが、住みにくく、使いにくい家になってしまいますので、面白さと住まいやすさのバランスを大事に設計しました。

1階は、家族共有のLDKと水廻り、2階はそれぞれのスペースで、中央部の吹き抜けを介して、家全体が大きなワンルームという構成にしました。

2階については、家族それぞれのプライバシーを守るために細かく壁で区切ることはせずに光がやわらかく通るカーテンでやさしく個々のスペースを区切り、光の濃淡をだすことでほら穴感を演出しています。

長く変わらず住み続けられることが求められる住宅は施主の想いを実現することだけでなく、普遍的な質と品が必要であると考えています。30年、40年と住み続けるご家族を想像して、内部は無理のない確かなプランニングをして、外観では歳を重ねたご夫婦が玄関から出てこられた時に違和感のない家を理想としています。

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