ハイアス総研レポートNo.9
改正宅建業法が成立!この改正の本質とは何かを考える

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本誌読者であればすでにご存知の方も多いと思いますが、さる5月27日、改正宅地建物取引業法(宅建業法)が参院本会議で可決、成立しました。

今回の改正におけるポイントは2つ、1つは「既存建物取引時の情報提供の充実」、そしてもう1つは「消費者利益の保護の強化と従業者の資質の向上」です。様々な報道ではインスペクションのあっせんと実質的な義務化がクローズアップされている向きもあるように感じますが、実は1つ目に示されている“情報提供の充実”こそ、今回の業法改正の本質であり、これからの不動産取引における「情報提供のあり方」を今まさに考え直すべきである、という問題提起であると捉えるべき改正なのです。

変化する社会

人口や世帯あるいは生産活動、経済成長など、全てが右肩上がりの時代では、既存住宅取引では建物の劣化があろうと土地のインフレが全てを覆い隠し、建物に関する説明責任そのものが相対的に小さい時代であったと言えます。しかし社会構造は変化し、あるいは優良なストック(例、長期優良住宅)が形成され既存住宅市場に還流し始めるなど市場構造も変わりつつある昨今、建物をそのまま使う前提の取引が増加し、従来のようなやり方では取引における説明責任を果たしたとは言えません。

また、消費者の消費価値観も、量的に不足の時代では情報自体に価値を感じていた消費者も、様々な経路で情報取得が容易になり、選択肢が豊富な時代となった現在、良いことだけでなく悪いこともきちんと伝えてもらうことで、「選択できる」ことを重視するいわゆる質的充足を求める傾向があると言われています。

このように市場構造、お客様の価値観、環境など「社会の変化」が徐々にしかし明らかに現れてきた今、情報を媒介する宅建業者も変わる必要があるということなのです。

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