住まいと健康の関係の「未来の当たり前」を考える
住宅不動産事業の生産性革新と日本の未来 シンポジウム HyASフォーラム2017 を通じて

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住宅不動産事業の生産性革新の推進に貢献する
「経営品質賞 HyASアワード」 の創設

先日9月27日、ハイアスも共催として関わった「住宅不動産事業の生産性革新と日本の未来 シンポジウム~ HyASフォーラム2017 ~」が東京で開かれました。シンポジウムでは、日本経済、金融と不動産市場の行方、住宅産業が取り組むべき課題などについて多彩なゲスト講演者の参考になるメッセージを聞く機会でした。また、「住宅不動産業 経営品質賞 HyAS アワード」の創設を発表、第一回目の受賞企業の表彰が行われました。これからの住宅不動産産業が持続的な成長を果たし、地域社会に貢献する企業となるための活動指針となる考え方として 発 表 され ました。ESG(Environment: 環 境、Social:社会、Governance:ガバナンス)観点から着想し、アメリカのマルコム・ボルドリッジ賞(*)にヒントを得て考えられた「住宅不動産業 経営品質賞 HyAS アワード」。今後の住宅不動産業界に求められる経営品質の向上要素として「総合化度」、「革新性」、そして「推進力」を示し、住宅不動産業全体の「経営品質」を高める一助となるべくこの考え方を今後も広めていきます。

(*)マルコム・ボルドリッジ賞 : 1980 年代当時、弱体化したアメリカ経済、アメリカ企業の国際競争力の強化を目的として 1987 年に創設。優れた企業の経営手法を開示し、それをベンチマークとすることで、他企業の経営品質の向上に寄与した。

住宅で健康・省エネ…「やる? やらない?」 の議論はもうおしまい。時代は 「どうやるか」 へ

登壇者のお一人、東京大学の前真之准教授から「住宅の高性能化実現における課題と将来の当たり前レベルを考える」と題してお話をいただきました。前先生からは、安く売れてしかも多く儲かる商品にするためにどうするかばかりを考える会社はここを間違っている。売ってしまえばそれで終わり、ではその家で暮らす家族に健康で安全安心なそして何より豊かな暮らしを売ることなどできない、と強いメッセージを発信いただきました。

家族の健康で安全安心な、そして豊かな暮らしを実現する一つの手段として、国としては平成 25 年省エネ基準の適合義務化、さらにその先にZEH 普及を目指しています。ただ、忘れてはいけないことは「安全安心で豊かな暮らし」の実現です。断熱さえすればそれでいい、お金を使って機械と電気で補えばいいという発想では安心安全、快適で豊かな暮らしの実現は難しいといえます。国の誘導があろうとなかろうと、私たちが目指すべきレベルは民間活動で示されるHEAT20 の G1、G2レベルさらにはその先のパッシブレベルを意識すべきだと前先生は言います。やるかやらないかと言う議論はもういらない、「どうやるか」を考える時期に入っているということです。


(前真之准教授による特別講演の様子)

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