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今回は、銀行の取引先企業への姿勢の変化についてです。
銀行のあり方も時代とともに変わっていきますね。
企業経営者にとって、経営に必要な運転資金や設備資金を機動的かつ適切な金利水準で用立ててくれる銀行の存在はとても重要です。ただ、経営者と同じ目線で事業を考えてくれる銀行はなかなかいないのが現実。銀行との付き合いを「難しい」と感じている経営者は少なくないと思います。
そういう意味では、銀行が、どこの何を、どう見て、どう判断しているのかということがはっきりしているのは経営者側にとっては安心できることです。
下記記事にある「りそな銀行」の取り組みは銀行の取引先への姿勢を明らかにするという意味で好ましいと思います。
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<りそな、業績改善なら金利下げ 中小向けローンで>
(2018年11月21日付日本経済新聞)
『りそな銀行は中小企業の業績が上向けば、契約中の貸出金利を自動的に引き下げるローン商品の取り扱いを始めた。改善する見込みのある企業にコンサルティングを実施し、解決すべき課題などを企業と共有する。一時的に業績が落ち込んだ企業はこれまで貸し付けが難しかったが、再成長を促すきっかけをつくり融資機会を広げる。』
通常、貸出金利はその企業の信用状態に応じて決まります。
決算書をもとに取引先企業の信用状態の「格付け」を行い、信用度が高い企業には優遇金利を適用します。逆に信用度が低い企業には相応に適用金利を上げていきます。
リスクに応じて適用金利を変えるのは当然だと思われますよね。
では、この取り組みの何か面白いのでしょう?
今回は、認知症患者の預金凍結の話からです。問題の本質は、人は自分が認知症になることを想像できないことかと思います。
祖父母や親が認知症になってしまうのはご家族にとって、とても辛いことだと思います。
そして、認知症患者が増えることはそのご家族の家計のみならず日本経済にも影響を及ぼす大きな社会問題になるかもしれない、という記事です。
さて、私たちはどのように対処したらよいのでしょうか?
少し前の日経新聞の記事です。
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<認知症患者、資産200兆円に 30年度 マネー凍結懸念、対策急務>
(2018年8月26日付日本経済新聞)
『高齢化の進展で認知症患者が保有する金融資産が増え続けている。2030年度には今の1.5倍の215兆円に達し、家計金融資産全体の1割を突破しそうだ。認知症になると資産活用の意思表示が難しくなり、お金が社会に回りにくくなる。国内総生産(GDP)の4割に相当するマネーが凍結状態になれば、日本経済の重荷になりかねない。お金の凍結を防ぐ知恵を官民で結集する必要がある。』
個人金融資産は年々増えていて、2017年には1,800兆円を超えたとみられています。第一生命経済研究所の試算によると、そのうち認知症患者が保有する金融資産は2017年度時点で143兆円ほどあるらしいのですが、それがこの先、2030年度には今の1.5倍、215兆円にもなるかもしれない、ということです。
政府の統計によると、認知症患者数は2015年に推計で約520万人。そして2030年には高齢化の進展に伴って、約830万人にまで増えると推計されています。この認知症患者の保有する金融資産が200兆円以上になるということですね。