2018年12月

住宅の省エネ義務化方針は撤回されたのか?

今回は、住宅性能についてです。
日本は住宅性能の基準を上げるチャンスを自ら棒に振ってしまったようです・・・。

 

■省エネ義務化、住宅への適用見送りという残念な決定

みなさんは日本の住宅の断熱性能や省エネルギー性能が先進国でも最低に近いレベルにあるということをご存じですか?

クルマや家電製品などに代表されるように、「日本製」は性能の高さの代名詞です。しかし住宅だけは例外なのです。中でも特に断熱性能が低いために、夏の暑さや冬の寒さなど、外気温の変化の影響をとても受けやすい。だから、冷暖房器具をフルに使って生活することが当たり前になっています。その冷暖房エネルギーもだだ漏れ状態なのに・・・。

そんな日本の住宅の現状を改善しようという動きがここ数年にわたって住宅業界で起きていたのですが、そんなムードに冷や水を浴びせるような残念なニュースが年末に入ってきました。
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<省エネ基準 中規模建物も 国交省、20年以降に適合義務付け>
(2018年12月24日付 日本経済新聞)
『国土交通省はオフィスビルやホテル、商業施設など住宅を除く新築の中規模建物(延べ床面積300平方メートル以上2千平方メートル未満)について、省エネ基準への適合を義務付ける方針だ。実際に義務付けるのは2020年以降となる見通しだ。住宅や小規模建物(同300平方メートル未満)は現状の基準への適合率が低いことに加え、業界の反対が根強いことから見送る。』

この記事のタイトルと「2020年以降、新築建物に省エネルギー基準の適合を義務付ける方針」という部分だけを業界動向をあまりご存じない方が見ると、「建物の省エネが義務化されるのか。徐々に省エネ化に向かって進んでいくのだから良いニュースだな。」という印象を持たれるかもしれません。しかし、そうではありません。このニュースの本質は記事引用部分の最後の『住宅は現状の基準への適合率が低いことに加え、業界の反対が根強いことから見送る。』というところです。

これが残念極まりないのです。

(さらに…)

2018年12月25日 火曜日 14:55 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

公共事業予算拡大、建設業が復活するための課題とは?

今回は、建設業についてです。地方にとっては基幹産業である建設業。今後はどうなるのでしょう。

 

■建設予算が拡充、公共事業増加へ

「構造不況業種」と言われ、この数十年間で最も事業構造の転換を迫られた業種のひとつが建設業でしょう。

1950年代中盤以降の高度経済成長を支え、またその主役の一角を担ったのは全国の「ゼネコン」でした。莫大な公的資金が建設業界に投入され、日本中に道路やダムが作られました。

国の公共建設事業予算は、地方への予算の分配でもありました。どこの地方でも地元の名士といえば、議員さん、役人さんの他は銀行支店長と建設業の社長でした。

しかし、それも1990年代までのこと。2000年代に入った頃から「もう道路もダムも要らないのではないか」という風潮になり始めます。国の財政が悪化したこともあって、公共事業費も削減され、全国の建設投資は減っていきました。

「脱ダム宣言」とか「コンクリートから人へ」と言ったフレーズが人口に膾炙するたびに、ゼネコンは減っていきました。

「脱公共」が地方ゼネコンの合言葉となり、公共事業頼みだった事業構造を転換させて民間工事を受注できるようになろうと全国のゼネコン経営者は躍起になりました。

しかし、建設業界で数十年続いたこのトレンドは、この先また変わっていくのかもしれません。
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<公共事業最大2割増 来年度一般会計、初の100兆円超>
(2018年12月5日付 日本経済新聞)
『政府は老朽化した重要インフラを補修するため、2018年度から20年度までの3年間で3兆円超を投じる方針を固めた。年末に決める19年度予算案では1兆円程度を計上する。当初予算ベースの公共事業関係費は前年度より最大で2割増の7兆円規模と、10年ぶりの高水準になる。縮小してきた公共事業が増加に転じ、歳出の選別が急務になる。』

公共事業の予算は1997年の9.8兆円をピークに年々下がり続け、最近では大体6兆円前後で推移してきました。しかし、2019年予算では公共事業費が大きく増加して、7兆円を超える規模になるということです。さて、建設業界は今後どのようになっていくのでしょうか。

(さらに…)

2018年12月11日 火曜日 16:20 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

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