2019年11月

不動産投資で相続税を節税することが「常識」ではなくなる?

今回は「不動産による相続税対策」についてです。
東京地裁の判決が波紋を広げていますね。

 

■不動産による相続対策が「常識」ではなくなる?

「不動産投資で相続税対策」。
これは地主さんや資産家層の人たちにとっては常識ですね。

その常識が変わっていくかもしれません。そんな驚きをもってこのニュースを見ました。
↓↓↓

<相続税で「路線価」を否定 地裁判決、”節税”に警鐘>
(2019年11月18日付 日本経済新聞)
『路線価に基づく相続財産の評価は不適切」とした東京地裁判決が波紋を広げている。国税庁は路線価などを相続税の算定基準としているが、「路線価の約4倍」とする国税当局の主張を裁判所が認めたからだ。路線価は取引価格の8割のため節税策として不動産を購入する人もいる。だが相続税の基準となる路線価と、取引価格に大きな差があれば注意が必要だ。』

相続税額を算定する際には、まず相続財産を評価しないといけません。
現金はそのままの評価だし、価格がついている上場株式や債券などは評価は難しくありませんが、問題は不動産です。土地や住宅の取り引きでも価格はあってないようなもので、売り手と買い手の交渉で決まります。

そんな評価の難しい不動産も含めて、「相続財産の評価は原則このように計算します」というルールがあります。

土地は毎年発表される「路線価」を基準に計算します。建物は「固定資産税評価額」が基準です。
「路線価」は土地取引で参考とされる「公示地価」のおよそ8割です。要するにおおよその市場価格よりも2割程度低いわけです。
また建物の「固定資産税評価額」は、元々建築に要した費用の40~60%になります(構造によって異なります)し、3年おきに見直されるたびに基本的に評価額は下がっていきます。

だから、現金をたくさん保有している人は、その現金資産を不動産資産に組み替えるだけで相続財産評価が下がるわけです。

例えば、1億円で購入した賃貸アパートが、相続税評価では2,000万円くらいになったりすることもあります。現金はそのままの評価なので1億円に対して相続税がかかりますが、賃貸アパートだと2,000万円に対して相続税がかかることになります。だから相続税をかなり減らすことが出来るわけですね。

こういった「節税目的」での不動産投資は広く一般的に行われています。
今回の判決は、その計算で相続評価したものが国税庁で否認され、その国税庁の主張を東京地裁が認めたというものです。

さてどんな事例だったのでしょう。

(さらに…)

2019年11月26日 火曜日 16:14 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

繰り下げ受給年齢を75歳まで拡大を検討中、の意味するところとは?

今回は年金制度についてです。政府は年金受給開始年齢を75歳まで繰り下げることを検討しています。
さて、その意味するところとは何なのでしょう。

 

日本の年金制度が心配される理由は?

「日本の年金制度って大丈夫なのか?」と懸念される話は常にあって、若い人にとってはすでに常識となりつつあります。

日本の年金制度がなぜこんなにも心配されるのか、というとこれまで制度を維持できてきた前提が崩れてきているからですね。

日本の年金制度は、現役世代が現在毎月払っている年金保険料を今の年金受給者が受け取っています(これを賦課方式といいます)。
これまでは、現役世代の方が受給世代よりも人口が多かったので、年金保険料の納付額の方が年金の支給額を上回っていました。だから年金受給者への支払いに困ることはなく、むしろ毎年余剰分が生まれていました。その支給額を上回った余剰分は積み立てられていて、その積立金を管理しているのが「年金積立金管理運用独立行政法人」(通称GPIF)ですね。このGPIFが管理・運用している積立金の総額はなんと160兆円以上。世界で最大の年金基金です。

しかし、日本はすでに少子高齢化社会に突入しています。このまま現役世代が減り、高齢者が増え続けると、年金の支給額が納付額を上回るようになります。そうなると年金支給額が不足します。その不足分はこれまで積み上げてきたGPIFの積立金を取り崩しながら対応していくことになるでしょう。
いくら世界最大の年金基金といえども、今のペースで少子化と高齢化が続けばいずれ枯渇してしまうのではないか、ではこの先も年金制度を維持するにはどうすればいいのか、というのが日本の年金制度が心配されている理由ですね。

(さらに…)

2019年11月12日 火曜日 17:51 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

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