
経営戦略に欠かせない市場動向の調べ方
企業の経営戦略・マーケティング戦略は、市場動向を無視して展開することはできません。住宅不動産業界では、人口や世帯数が右肩上がりの時代を背景にこれまでよりさらに良いものを作れば売れると考え、作った後で売
HyAS住宅不動産業経営戦略コラムでは、住宅業界、不動産業界、土木業界の業務効率化か成約率アップなどのお役立ち情報を発信しています。日々の業務のことから事業のことまで売上アップのために日ごろから策を練り、企業の成長に役立てましょう。
住宅不動産業界では「売れない」時代が続いています。そんな中、受注強化につながるキーワードとして注目したいのが「顧客満足度」です。顧客満足度はどのようして向上させていけば良いのか、その基本的な考え方について説明します。
今は戸建て住宅を購入することが難しい時代だと言われます。人生の中で最も高い買い物である家の購入に際して、どんな会社や物件を選んでいいのかという不安、将来の生活やお金に対する不安が先立ってしまい、なかなか購入に踏み切れない人が増えているためです。
長引く景気低迷の影響もあって、家を買う人たちの心中には「家を購入するリスク」や「将来への不安」がくすぶっているのです。加えて少子化や高齢化によって、マーケット自体も縮小傾向にあります。家はそう簡単には買えない、売れない時代になっていると言えます。
このことは、業界側から見れば住宅不動産事業における「集客」が一段と難しくなってゆくということです。そもそも購入を検討する人の母数が減少していくため、ポータルサイトからの反響や見学会への参加数なども今まで以上に工夫を凝らさなければ減少していく可能性が高まります。また、消費税増税前の駆け込み需要などの影響で一時的に集客が増えることもあるかもしれませんが、同じ状況がずっと続くことは想定できません。
集客力や営業力の向上をどのように実現するかには様々な切り口や手法があります。中でも重要になってくるのは「1人のお客様からどれだけ多くの売上を作ることができるか」です。言い換えると顧客満足度をいかに高めるかということです。買っていただいた商品に満足してもらう、担当者の対応に満足してもらうなど、一度顧客になったお客様との関係性をより密接にしていくことで、リフォーム受注や紹介による受注などに繋がり、収益性を高めることができます。
顧客満足度の向上を目指すにあたっては、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
まず何より重要なのは顧客からの信頼を獲得することです。そのために顧客の話に真摯に耳を傾け、住宅不動産購入に関わる疑問点、不安要素があるようなら、それに対してすぐに情報提供できる環境を整えておかなければなりません。営業マンの誠実さ、わかりやすく伝えたいという姿勢、顧客の期待感や不安を感じ取れるセンスも必要です。
もちろん、商品そのものに品質と機能性、安心・安全性が備わっていることは大前提となります。住宅であれば、住み始めてから快適な住生活を送れているかどうかによって、お客様の満足度は大きく変わります。そのためにも、高性能な住宅の提供が必要なのです。
顧客満足を獲得するために、企業が努力しなければならないことは数多くあります。例えば、スピーディーかつ丁寧な対応力、営業担当者の知識向上、煩雑な事務手続きなどのサポート体制強化、定期的な接触機会を持つためにポイントサービスなどを有効に使ってお客様が発注をしてくれる仕掛けを作るなどの仕組みを構築したアフターフォロー体制強化、相場の変化に応じた合理的な価格設定、住宅の品質向上……などは優先順位の高い、常に取り組んでいくべき課題です。
顧客満足度の向上を目指すというのは、お客様の立場に立って考えるというごく当たり前のことを実践することでもあります。1つずつ、できることから始めてみてはいかがでしょうか。