
業務効率化のためにはヒューマンエラーの原因を知り対策をとることが大切
業務効率化を妨げ、時には業務の停止を招くこともあるヒューマンエラー。それはなぜ起こり、どのようにすれば回避できるのでしょうか。ヒューマンエラーの原因、リスク、対策について解説します。 ヒューマンエラー
HyAS住宅不動産業経営戦略コラムでは、住宅業界、不動産業界、土木業界の業務効率化か成約率アップなどのお役立ち情報を発信しています。日々の業務のことから事業のことまで売上アップのために日ごろから策を練り、企業の成長に役立てましょう。
営業に注力したいのに、それ以外の業務に時間・工数を浪費して、なかなか成果があがらない……こういった悩みを抱える企業・部署は多いのではないでしょうか。そこで有効なのがコア業務とノンコア業務とを切り分ける考え方です。コア業務に専念するための環境整備の方法について解説します。
ごく簡単に言えば、コア業務は売上や利益に直結する業務のこと、ノンコア業務はそれ以外の業務のことです。生産性改善を実現するためには、まずは自社にとってどれがコア業務で、どれがノンコア業務なのか、明確に分類する必要があります。その切り分け方の目安として、コア業務とノンコア業務の特徴をもう少し詳しく見てみましょう。
コア業務とはその業務自体によって会社の売上や利益を生み出す業務のことを指します。逆に言えば、それが存在しなければ会社そのものが成り立たない業務です。その分、難易度は高く、専門的な人材が必要であり、非定型的な業務が中心となります。
一方ノンコア業務とは、コア業務を支援する業務のことです。難易度はコア業務ほど高くなく、高度に専門的な知識や技術は必要ないことが多く、定型的であるか、定型化することが可能な業務です。
社員、つまり会社の人材はコア業務に専念させることが重要であり、それが生産性向上の基本となります。
会社の生産性を高める、とは「より少ない投入(インプット)で、より多くの価値や成果(アウトプット)をあげること」です。つまり、生産性を上げるために必要なのは、コア業務、すなわちその業務の遂行によって会社の売上や利益を生み出す業務の充実です。成果の拡大に繋がる投資は積極的に行うべきです。競合他社に差をつけるには、コア業務においてより専門的なノウハウを開発して蓄積することや、外部のノウハウを仕入れて成果の量を拡大させることが不可欠です。
さらに、生産性を高めるという観点でもう一つ大事なことは、成果の大きさです。同じ成果を少ない時間や人材投下で生み出すことは、実は本当の意味で生産性を高めたとは言えません。コア業務に対する研究や教育を含めた十分な投資や人材の確保を行うことで、より大きな成果を生み出すことを目指すことが生産性を高めることなのです。
生産性は以下の計算方法で出すことができます。
労働生産性=付加価値(生産量)÷従業員の平均人数
一方、コア業務の拡大に従ってノンコア業務にも一定の投資は必要です。しかし避けたいのはノンコア業務に時間や工数を取られすぎることです。ましてノンコア業務の非効率がコア業務の遂行に支障をきたすような状況に陥るようでは本末転倒です。
ノンコア業務は一定数発生してしまいます。そのため、ノンコア業務をより効率良く遂行することを考える必要があります。その1つの手段がアウトソーシングです。アウトソーシングする場合によく用いられるのが、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。BPOでは一時的に発生した業務を外部発注するのではなく、社内のある部門や業務プロセス全体をアウトソーシングします。
BPOのメリットは、人材をコア業務に専念させられること、それによってコア業務の品質向上、効率化を図れることにあります。また、ノンコア業務をアウトソーシングすることによって新規事業の立ち上げや新しい手法の生み出し、改善も可能になります。
デメリットは内部情報やノウハウをアウトソーシング会社と共有することになること、社員から会社の業務の全体像が見えづらくなることなどが挙げられます。そのため、他社との情報共有する際の仕組みが重要になります。
ノンコア業務の中で業務効率化のためのアウトソーシングに適しているものとしては、受発注業務、在庫管理、配送業務、研修業務などがあります。例えば、住宅事業では、住宅履歴情報の登録をアウトソーシングすることもできます。書類を送って、データ化してもらい、自社で活用しているシステムにデータを登録してもらうことも可能です。さらには、長期優良住宅の申請代行や構造計算、積算、UA値計算やC値測定などもアウトソーシングが可能です。
近年ではクラウドを介して情報を共有し管理できるツールも各種開発され、既存の基幹システムに組み込む形での運用も可能となっています。こうしたツールを利用する際には機能、サポートが充実していること、またアウトソーシング会社の選定にあたってはコンサルティング力、コストなどに着目して評価を行う必要があります。
また、近年では、コア業務をアウトソーシングすることも少なくありません。営業代行やコールセンター代行、アフターメンテナンス代行などの様々な仕組みがあります。当然、お客様との関係性を大事にしたいという思いのある経営者の方も多いでしょうから、アウトソーシングをすることがベストとは言い切れません。しかし、会社全体のバランスを考えた時に、コア業務の中でも一番に注力したい業務ではない場合には、アウトソーシングで売上の一部を作っていくという考え方も必要になってくるでしょう。
生産性を高めるためには、まずコア業務とノンコア業務を切り分けることから考えます。そして、企業特性に応じてノンコア業務をアウトソーシングすることでコア業務に充てられる時間や工数を増やすことで、業務全体の最適化を図り、生産性は改善します。こうした考え方はどの業界でも活用できます。まずは自社のコア業務が何かを考えてみることから始めましょう。