
住宅不動産業界における地域密着型経営のメリットとは?
地域密着型の住宅不動産会社のメリットとは何でしょうか。全国展開型の企業との差別化をし、競争に打ち勝つには、そのメリットをどのように生かすべきなのでしょう。住宅不動産業界における地域密着型経営のありかた
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戸建て住宅という商品を買っていただくために必要なことは数多くありますが、ここでは「商品の差別化」にスポットを当ててみます。住宅不動産業界において、商品の差別化はどのようにして行えば良いのか、そのポイントについて解説しましょう。
住宅メーカーにとっての商品である戸建て住宅、その差別化をするためにまず必要なのはコンセプトです。もちろん、今、扱っている商品にはもちろん、世の中のあらゆる商品には「商品コンセプト」があるはずです。ここでは商品を差別化するために改めてコンセプトを見直してみることを提案します。
差別化のためのコンセプトは、顧客である施主に伝わりやすいものにする必要があります。なぜなら、このコンセプトこそが判断のための情報として顧客に与えるためのものだからです。どんな考えに基づいて作られた、どのような特徴のある住宅であるかが、そのコンセプトを目にしたときにパッとイメージできることが理想です。わかりやすく腑に落ちやすいコンセプトを提示することができれば、商品の差別化において一歩リードできたことになります。
商品、そしてそれに付随するサービスは、コンセプトを実現するための要素を持ち合わせていなければなりません。住宅ではデザイン性、機能性、工法、工期、価格などのうちのどれか、あるいは複数の組み合わせによってコンセプトが実現されることになるはずです。
また、その要素は、競合との競争力を持つものでなくてはなりません。デザインが優れている、機能がずば抜けている、特徴的な工法である、工期が短い、価格が安い、建材・設備にこだわりがある、などです。どれか1つか2つが突出していても、すべてがバランス良く成立していても、どちらの場合でも差別化ポイントとなり得ます。
ただし、どれもそこそこ悪くないという程度では競合に勝っていることにはなりません。商品やサービスに強いセールスポイントを付加することで、商品に競争力が生まれ、差別化が可能となります。
差別化を行うときには注意すべき点があります。もちろん高性能な商品・サービスを作り上げることは大切ですが、それは顧客が求めているものでなくては意味がありません。その差別化ポイントは顧客ニーズに応えようとしているものなのか、それともメーカー側の独りよがりなのか、ということに対して顧客はとても敏感です。
また、優れた性能の実現に執着するあまりコストがかかりすぎ、価格が跳ね上がるとしたら、それもまた多くの顧客の関心を失わせる要素となってしまいます。言うまでもなく、不信感は購買欲の敵です。反対に、信頼感はベネフィットを生み出します。差別化を行うときには、何が顧客満足につながるのかを、慎重に見定めていく必要があります。
競争の激しい住宅業界にあって、住宅という商品の差別化を成功させることは簡単なことではありません。しかし、何か1つ差別化ポイントという突破口を見出すことができれば、それを発展させて、競争力のある商品を生み出すことができ、大きなメリットを得ることができるはずです。商品・サービスの差別化は、事業を推進し成長させるための原動力を作り出す第一歩と言えるでしょう。
商品・サービスの差別化に成功すれば、それを生かした広告宣伝、販売促進戦略を立てることができます。営業マンにとってもその住宅を勧めるポイントがはっきりして、お客様とのトークがしやすくなり、商品を売りやすくなります。案件数が増えればコストダウンも実現できます。その結果、売上・利益のアップにつながれば、さらなる広宣、販促への投資やシリーズ化などによるブランディング戦略を進めることも可能になるでしょう。
まずは差別化というキーワードを意識し、商品を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。