
注文住宅販売における集客のコツ
大手業者から地域密着業者まで競合企業の規模が多様で、しかも競合社数も多い注文住宅販売市場において、地域密着の中小工務店はどのようにして大手企業に対抗するための集客力をつければ良いのでしょうか。集客活動
HyAS住宅不動産業経営戦略コラムでは、住宅業界、不動産業界、土木業界の業務効率化か成約率アップなどのお役立ち情報を発信しています。日々の業務のことから事業のことまで売上アップのために日ごろから策を練り、企業の成長に役立てましょう。
業務効率化を妨げ、時には業務の停止を招くこともあるヒューマンエラー。それはなぜ起こり、どのようにすれば回避できるのでしょうか。ヒューマンエラーの原因、リスク、対策について解説します。
「うっかりミス」といった言葉で一括りにされてしまいがちなヒューマンエラーですが、その原因には様々なものが考えられます。過失が起こる背景には業務に必要な知識の不足や業務に不慣れであること、優先順位など状況認識の欠如、あるいは慣れ・マンネリからくる危険軽視、スタッフ間の連絡・連携・コミュニケーション不足、認識の差異・判断のズレ、あせり・パニック、見間違い・聞き間違い・思い込み、疲労・ストレスが起因となった不注意……など様々な要因が挙げられます。
ヒューマンエラーがやっかいなのは、緊張感のありすぎる環境でもなさすぎる環境でも、あるいは知識不足でも熟達していても発生する可能性があるということです。たとえば自分の判断は常に正しいと思い込んでいる熟練者も、時にはミスを犯します。
ヒューマンエラーは必ず発生するものです。作業を人間の手に委ねている限り、それをゼロにすることはできません。しかし、ヒューマンエラーが多発すれば業務の効率は低下し、致命的なミスであれば業務の続行に支障をきたすこともあります。その意味で、ヒューマンエラーの発生頻度をできる限り下げることに取り組むことは大切ですが、近年、特に問題となっているのはヒューマンエラーによる企業機密、個人情報などの情報の漏えいです。情報セキュリティ事故が発生した場合は、業務の停止だけでなく損害賠償や公的処罰、企業価値の低下などにつながることもあります。こうした特に重大な事故につながるヒューマンエラーを防ぐことがこれらのリスクを回避するための対策を講じることが求められます。
では、ヒューマンエラーを防ぐにはどのような対策が必要なのでしょうか。3つの柱となるのは教育と業務フローの見直し、作業環境の改善です。
教育では知識不足を補うのはもちろん、連絡・連携の仕方、スタッフ間の認識のズレの防ぎ方といったテクニックも教えていきます。また、ヒューマンエラーに対する考え方、意識の持ち方、さらには重要情報に関わる際の心がまえ、危機意識などについても指導します。
教育においては、新人にだけ行うのが教育ではありません。ベテランも含めて定期的に社内セミナーなどを実施し、「最近、増えているミスにはこのようなものがある」といった情報も可視化・共有して、意識を高めておくことも大切です。意識の指導においては、「業務の目的やゴール」を正しく認識してもらうように教育することも重要です。作業自体が「目的」になったり、入力することが「ゴール」になってしまうと、思考することなくひたすら作業を全うすることになります。「この入力作業は何のためにしているのか」など、業務の全体像を示し、後工程がどのようになっているかを示してあげることで、その作業への意識が高まりやすくなり、ヒューマンエラーも減少します。
2つ目の業務フローの見直しでは、ミスが発生しやすい工程を改善します。たとえば、見積書の作成にあたって計算間違いが多いのであれば、Excelでの計算フォーマットを作るだけでもミスを削減できます。文書管理をする時には、ファイリング方法やラベルの付け方を工夫するだけでも作業のやりやすさは変わってきます。この時、ヒューマンエラーの原因が何かを必ず分析して、その改善策として適切な処置をします。
ただし、作業を単純化・ルーティン化するだけでは、逆に慣れから来るミスを呼び込む恐れがあります。たとえば、確認作業は単に目で見て確認するだけでなく、チェックシートに記入することで処理作業化できます。このことでミスが減り、後の検証性も向上させられます。
3つ目の作業環境の改善は、簡単に言えば作業がしやすい労働環境を作るということです。適度に緊張感があり、リラックスもできる環境であることは、ミスの軽減と作業の効率化に大きく役立ちます。
さらに、業務フローの見直しの延長線として、システム導入も選択肢に入ります。とくに計算や集計、管理といった作業は、システム化をすることでヒューマンエラーを軽減できる可能性があります。
初期導入費用こそかかってしまいますが、ヒューマンエラー軽減だけでなく大幅な業務効率化にもつながるでしょう。
たとえば、原価管理をするにしても、Excelで管理するよりもシステムで管理をしたほうが様々なルールや制限を設けていることで、ヒューマンエラーは発生しにくくなります。住宅履歴情報や顧客データの管理も、Excelや汎用的なクラウドサービスよりも、専用のシステムのほうが登録間違いなどのヒューマンエラーは減少します。
ただし、システムを選ぶ際には、そのシステムを使いこなせるか、本来改善したいことが改善できるノウハウがあるかに着目しましょう。一見便利なシステムも、使いこなせなければ宝の持ち腐れです。あくまでシステムはツールですので、そのシステムを活用して成果を出すことができるだけのノウハウや研修が整っているかなど、システム選定時によく吟味することが大切です。
ヒューマンエラーの原因とリスクを分析し、適切な対策を立てることで、業務の効率化と最適化が実現します。まずは社内におけるヒューマンエラーの現状把握から始めてみてはいかがでしょうか。