クルマの性能向上により交通事故はいずれなくなる

今回は、クルマの性能向上による交通事故死の減少から、住宅性能の向上についても考えてみたいと思います。

 

■交通事故死は年々減少している

テレビのワイドショーなどを見ていても、相変わらず交通事故のニュースは多いですね。
そういう交通事故のニュースを見るたびに私の息子(17歳)などは「最近、交通事故って多いね。クルマの運転って怖いから免許取りたくないかも。」などと言ったりしています。
そんな息子に「でも実は交通死亡事故って年々減っていっているって知ってる?」と言うと、「ええっ!」と驚いていました。
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<交通事故死 最少3215人>
(2020年1月7日付 日本経済新聞)
『2019年の全国の交通事故による死者は前年より317人(9.0%)少ない3,215人だったことが6日、警察庁のまとめで分かった。減少は4年連続で、統計が残る1948年以降で最少を更新した。』

2019年の交通事故での死亡者数が、3,215人と過去最低になったようです。
警察庁の統計によると、交通事故死者数が一番多かったのは今から50年前の1970年。なんと年間16,765人も亡くなっていました。
それが年々減少してきて、今から10年前の2010年には4,948人と5,000人を切っています。

警察庁は、交通事故死が減少している要因として、「取り締まりの強化、シートベルト着用の定着化、そして自動安全ブレーキなど自動車の性能向上」などを挙げています。

なお、交通事故の発生件数は、38万1002件でした。その中で死亡者が3,215人ということは単純計算で死亡事故率はわずか0.8%です。つまり、事故が起きてもなかなか死亡事故にまでは至りにくくなっていると言えるかもしれません。これは、ボディの剛性が強くなったことやハンドルやブレーキの自動制御機能の向上など、クルマの安全性能の向上が大きく寄与しているのではないかと思います。

自動車保険がどんどん安くなるはずですね。

 

■交通事故はいずれ無くなる

では、なぜあんなに毎朝ワイドショーで交通事故の報道が多いのでしょう?
これは私の推測ですが、おそらく事故の映像があるからだと思います。ドライブレコーダーや街の監視カメラの普及、スマホにより動画撮影が容易になったことなどで事故の映像が残るようになった。そのためニュースで取り上げやすくなったのではないかと思います。

ニュースで頻繁に見るようになったから悲惨な事故が増えているように思うかもしれませんが、実際のデータを見ると決してそういうわけでもないということがわかります。

とは言っても、交通死亡事故は悲劇です。この世から一日も早く死亡事故が無くなるといいと思いますよね。
実はこれは夢ものがたりではなく、もう近い将来にこの世から交通事故は無くなると言われています。

5G時代になってすべてのクルマ同士がつながるようになると、どこから車が来るかわかるようになります。すべての車との距離も自動で適正に保つように制御されるようになります。見通しの悪い交差点で起きる「出会いがしら事故」などはなくなるでしょう。さらに歩行者と自動車の道を分ける歩車分離が進み、さらにもっと自動運転のレベルが上がっていくと、いずれ世界から交通事故死の悲劇はなくなるでしょうね。

 

■交通事故の何倍もの人が家の中の事故で亡くなっている

交通事故死はいずれなくなります。外に出る時に「車に気を付けてね」と声を掛けることが無くなるかもしれません。しかし、すでに「家の外」よりも「家の中」の方が危険と言われています。

例えば、冬に家の中が寒くなることで起きる急性心疾患、いわゆる「ヒートショック」で亡くなる人は推定で年間17,000人以上もいると見られています。
1970年の交通死亡事故者数以上ですね。日本の住宅の安全さは自動車の世界より50年以上遅れているとも言えそうです。

また夏が猛暑になってきたことで、熱中症で亡くなる方が増えています。2017年には635人もの人たちが熱中症で命を落としています。
この熱中症はどこで起きていると思いますか?
「太陽がガンガン照り付ける屋外」かと思いきや、実は「住居の中」が一番多いのです。
2017年に熱中症で救急搬送された人の主な発生場所は、
1位:住居 37.0%
2位:屋外(公園など)13.5%
3位:仕事場(道路、工事現場など)10.7%
(厚生労働省HPデータより)

65歳以上の高齢者に限っていうと半数以上が住居内です。
2017年の熱中症での死亡者数は、台風や豪雨、地震などで亡くなられた方よりも多かったようです。
つまり、猛暑は今や最も命に脅威を与える自然災害とも言えるかもしれません。

そんな命に脅威を与えるヒートショックや熱中症がなぜ家の中で起きるのでしょうか?
根本的な要因は日本の住宅の「断熱性能が低いから」です。

断熱性能が低いから、屋外の気温の影響をそのまま家の中に伝えてしまうのです。そのために家の中が、夏に暑くなり、冬に寒くなります。

日本の住宅の断熱性能は先進国最低レベルです。
エアコンを使うと電気代がいっぱいかかるのも、エアコンを切るとすぐに暑くなったり、冬には寒くなったりするのも、暖房時に室温にムラが出てしまうのも、すべては住宅の断熱性能ならびに気密性能が低いからです。断熱・気密性能が低いから夏の高温も冬の低温も家の中に伝わってしまうのです。

新しく家を建てられる方は、断熱・気密性能の高い仕様にするべきですし、古い家に住んでいる方も最近になって普及してきた高気密・高断熱のリフォームなどをぜひ検討してほしいと思います。

住宅の高断熱化は、「省エネルギー」というだけでなく、「命を守る」ためにもとても重要なことなのです。

 

■ヒートショックや家の中の熱中症での死亡者がいなくなりますように

クルマの性能は50年以上かけてずっと上がってきました。
ボディの剛性が良くなり、燃費が良くなり、自動制御システムの機能も向上してきました。結果、エネルギー問題や人の命も守れるようになってきました。

一方、住宅の断熱性能向上は亀の歩みです。国も住宅の断熱性能向上に関してはいまひとつ本腰が入っていません。
住宅はそこに住む人の命と健康を守る「シェルター」としての機能があります。
日本の住宅の断熱・気密性能、耐震性能、耐久性能はもっともっと上げないといけません。

交通事故がいずれそうなるように、家の中でヒートショックや熱中症で亡くなる人がゼロになりました、と言われる日が来ることを願っています。

今回は以上です。次回もお楽しみに。

2020年1月21日 火曜日 17:20 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志
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