時事所感

コロナがもたらす経済的損失は世界をどう変えてしまうのか?

こんにちは!ハッピーリッチ・アカデミーの川瀬です。
今回はコロナが及ぼす経済的損失とその後の国家と社会のあり方について考えてみました。

 

■世界の損失は2年で1,300兆円にも

新型コロナウイルスの世界的な拡大で甚大な経済的損失が予測されています。
そのインパクトはどれほどなのでしょうか?
そしてこの経済的損失は国際社会から私たちの生活に至るまで、どんな変化をもたらすのでしょうか。
↓↓↓

<世界の損失、2年で1300兆円 今年マイナス4.9%成長 IMF試算>
(2020年6月25日付 日本経済新聞)
『国際通貨基金(IMF)は24日改定した世界経済見通しで、2020年の成長率をマイナス4.9%と予測し、4月時点から1.9ポイントさらに下方修正した。
新型コロナウイルスで先進国と新興国がそろって景気後退に陥り、経済損失は2年間で12.5兆ドル(約1,300兆円)と試算した。』

IMFは今年の1月時点では今2020年の成長率をプラス3.3%、2021年をプラス3.4%の成長と予測していました。
それを今回、コロナの影響を加味して大幅に下方修正したのが上記の予測です。

2年間で1,300兆円の経済損失です。ものすごいインパクトです。
1億2,000万人が暮らす日本のGDPが約500兆円ですから、その2.6倍が失われるわけです。いったいどれほどの企業の売上が、労働者の賃金が、国家の税収が落ち込むのでしょうか。

考えるだけでも恐ろしいことです。

 

■懸念されるのは「分断」

ただ、世界の国が一律に落ち込むわけではないでしょう。
コロナの影響が大きかった国と比較的軽微だった国でも差が出ます。
なにより懸念されているのは、先進国よりも新興国の落ち込みです。
新興国は、経済的にも公衆衛生的にも社会保障の面でもその基盤はぜい弱です。
コロナが拡大し続けているインドでは、すでに失業率は26%まで拡大。
加えてインフレで経済的にとても厳しい状況になっています。
コロナ感染者数がアメリカに次いで多いブラジルは、もともと貧困層も多い上に財政的な余裕もないために、はなからコロナへの対策を取りませんでした。IMFの予測ではブラジルの20年の成長率はマイナス9.1%となっています。

今、ほぼすべての国と国の間での人とモノの移動が止まっています。
これまでのグローバル化の流れに反するような、「脱グローバル化」の意識が高まっている、といった報道を目にする機会も増えたように思います。

自国のことは出来るだけ自国内でまかなう、というのは決して悪い考えではありませんが、懸念するのはそれが行き過ぎて国家関係が分断されてしまうことです。

米中貿易戦争に見るように、行き過ぎた「自国ファースト」の先にあるは国家間の分断です。
アメリカが中国製の部品や製品を締め出した結果、製造コストが上がり、
最終価格が高くなりました。そのツケを支払っているのはアメリカ国民です。
すでにグローバル化している経済的な枠組みを無理に崩そうとすると、
結果的に経済的な損失はもっと大きくなります。

ただでさえ、コロナで社会全体の動きが止まり、人とモノの動きが分断されていることで、莫大な経済損失が見込まれているのです。
今こそ世界は分断ではなく、協調でこの危機を乗り切らねばならないのではないか、と思っています。

 

■格差が生じようとも、大事なのは「いかに弱者を生まないか」

ウイルス感染も経済損失も、「自分の国だけ防げればよい」というわけにはいきません。
世界が協力して感染拡大防止やワクチン・治療薬の開発に取り組む必要がありますし、世界が協力して経済を回していく必要があります。

そう考えると、大事なのは「いかに弱者を生まないか」ということではないかと思います。
選ばずに、すべてを支援し、救済することだと思います。

これは国家間だけでなく、国内でも同じです。
これだけインパクトのある経済的損失が見込まれているのです。
コロナによる経済停滞で、経済的弱者に転落する人が増えるかもしれません。

今回のコロナショックは自然災害です。
経済的困窮状態になったとしてもそれは不可抗力です。
バブル崩壊やリーマン・ショックの時のように、自己責任論が出ない分、
政府としても弱者救済に対して動きやすさがあります。

実際、世界中の政府と中央銀行は財政出動と金融緩和をためらうことなく実行しています。
その結果、何が起きているかというと、例えば「株高」です。
緩和マネーが株式市場に流れ込んで世界的に株価を支えています。
世界各国が表明している規模の財政出動が行われるとコロナ後は資産バブルが起きるのでは、とも言われています。

資産バブルは資産を保有している層の富をさらに増やします。
一方で、どれだけ財政出動をしても経済的に困窮している人のすべての損失を賄うことは出来ません。
結果、「格差が拡大した」と言われることになるでしょう。

すでに欧米先進各国では随分以前から格差問題が表面化していました。
アメリカの黒人男性死亡事故をきっかけとした抗議デモも、人種問題に加えて格差問題が背景にあります。
国民間の経済的な格差は、国内の分断をも生みかねないのです。

 

■国家と社会のあり方はどうなっていくのか?

しかし、だからと言って「支援は慎重にしましょう」というわけにはいきません。
コロナの重症化と同じように、経済的困窮の重症化も命に関わる問題です。
繰り返しますが、選ばずに、すべてを支援し、救済することです。

その結果、国の財政はひっ迫するかもしれませんし、企業間や個人間で格差が広がるかもしれません。
ここを埋めるのは、「所得再分配政策」ということになるのでしょう。
「持っている層」に課税し、「持たざる層」へ分配する政策をさらに推し進めることには異論も出ることでしょう。
しかし、今回はあまりに規模が大きすぎます。弱者を切り捨てることで、
将来的に増える社会的コストまで試算するとどちらがいいのかという議論になると思います。

大事なことは、そこでまた「持っている層(国)」と「持たざる層(国)」で分断を起こさないことでしょう。
賢明に考えて、議論を尽くすことだと思います。

いずれにせよ所得税や法人税、資産への課税などの見直しは避けられないと思います。
世界は社会民主主義的な政策が主流になっていくかもしれません。
資本主義国家である日本は新自由主義的な経済政策を支持する人が多いように思いますが、コロナ後の社会は、そして経済政策は、どうなっていくでしょうか。

これから世界中で「国家ならびに社会のあり方」について様々な動きや議論が出るでしょう。
コロナは様々なことを刷新していきますね。
世の中の変化にしっかり目を凝らしていきたいと思います。

今回は以上です。
一日も早く平穏な日々が戻りますように。

2020年7月7日 火曜日 18:19 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

価値観の変化にともなって、オフィスも自宅も環境は変わっていく

こんにちは!ハッピーリッチ・アカデミーの川瀬です。
さて、コロナ禍で進んだテレワークは、私たちの価値観をどう変えるのでしょうか?

 

■生産性上がった?下がった?在宅勤務の賛否両論

コロナ自粛期間中に在宅でテレワーク勤務された方は多かったと思います。
以前から、介護や子育てをしている人たちや障害などで通勤できない人たちも生き生きと働ける環境を整えるためにテレワークを普及させよう、というのは国からも推奨されてきました。
テレワークは社会的な要請であるとわかっていても、それでもなかなか長年慣れ親しんだ働き方を変えることは簡単ではありませんでした。
それが今回、一気にテレワークが拡がりましたね。
そんな中、テレワークや在宅勤務への賛否がこの記事のように両論巻き起こり始めています。
↓↓↓

<在宅の生産性向上探る 民間調査、7割が「効率低下」>
(2020年6月21日付 日本経済新聞)
『新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を導入する企業が増えるなか、生産性の向上が焦点となってきた。日本生産性本部の調査では7割弱の人が「効率が下がった」と答えた。在宅勤務は柔軟な働き方が可能になるなど利点が多い半面、対話が生む創造力の維持や、成果のはかり方など課題もある。競争力の強化に向けた企業の知恵比べが始まっている。』

記事によると、テレワークの課題として以下があげられています。

「職場に行かないと資料を見られない」 49%
「通信環境の整備」 45%
「机など働く環境の整備」 44%
他に、「決裁のデジタル化」、「同僚との意思疎通」が続いています。

これは、「準備もせずにとりあえずやってみたら、こんなことがわかった!」ということなのだと思います。
いずれも簡単に解決できる話ですよね。あくまで過渡期の話だと思います。

このテレワーク化への流れはこの先も止まることはないでしょう。
業種や業態、職種によって違いはあると思いますが、必要に応じてテレワークと出社勤務がバランスよいところで配分されていくことになると思います。

 

■テレワークは家庭と仕事の両立に役立つ

私の会社でも在宅勤務を行いましたが、スタッフからは、「集中できてとてもいい」とか、「いや、やはり顔を合わせないと」、といった様々な声がありました。
デザイン業務やシステム開発、設計業務や財務・経理など、集中して作業すると効率が上がるような業務にはテレワークは合うようですし、一方で頻繁にミーティングをひらくラインのチームとか、そのラインと意思疎通が必要な後方支援の業務などは顔を合わせた方が効率が良いと感じているようでした。

ただ、確からしくわかったことは、テレワークは介護や育児やハンディがある人のための勤務環境の整備だと思っていましたが、そうではないということです。
テレワークは、業務の生産性を上げるため、豊かな暮らしをするための働き方として今回で広く認知されました。

通勤時間がなくなったこと、家族との時間が増えたことで、テレワークが家庭と仕事の両立にとても役立つことは間違いありません。

仕事の評価方法や労働管理や生産性など、課題はまだまだありますが、様々な働き方のニーズに企業と労働者がともに対応していくことになるでしょう。

なんでもやってみないとわかりません。どんな業務ならいいとか悪いとか、先入観を持たずに取り組んでみることが大事ではないかなと思っています。

 

■アメリカではミレニアル世代が一戸建てを買っていた、きっかけは「在宅勤務」

また、在宅勤務は職場だけなく住まいの環境にも様々な気付きを与えてくれたと思います。
「狭い賃貸でのステイホームはきつかった」
「会社に行かないのだから、こんな家賃の高い都心である必要はないのでは?」
「家にはワークスペースはあった方がいいな」
といったような声がよく聞かれました。

そうなると、昨年にアメリカで起こっていたことが日本でも起きるかもしれないなと思っています。
これは昨年暮れの記事です。
↓↓↓

<低金利がもたらす 「ミレニアル、家を買う」>
(2019年12月18日付 日本経済新聞)
『11月の米住宅着工件数は2カ月連続で前月比増となり、住宅投資の復調を裏付けた。投資家は2020年にかけて住宅投資が米景気の下支えになると期待する。低金利は、家の購入に乗り気でなかった若年層にも「家を買う」夢を持たせ始めた。
(中略)
誰が一戸建てを買っているのか。注目を集めるのが1981~96年生まれのミレニアル世代の動きだ。同世代は所有欲が強くないだけでなく、米国では学費高騰に伴う学生ローンの返済が重荷で、かねて住宅購入に消極的な層とされてきた。』

今はコロナでいったん落ちてしまっていますが、アメリカでは昨年後半に住宅投資が伸びていました。特に伸びていたのが一戸建です。
リーマンショック以来、約12年ぶりとなる高水準な住宅投資を支えていたのがミレニアル世代でした。
2019年7~9月期の住宅ローン組成で約30%を占めていたのがミレニアル世代。前年同期比で26%もの増加でした。

記事は、その要因をこう分析しています。
↓↓↓

『インターネット不動産仲介大手のレッドフィンが11月に公表した調査では「集合住宅より戸建てを買いたい」と答えた割合はミレニアル世代が93%に上った。他のどの世代よりも高かった。レッドフィン社は、ミレニアル世代が「職場が遠くなっても、郊外の子育て環境の良い家を選ぶ傾向にある」と指摘する。さらに在宅勤務など働き方が多様になり「都市部にある集合住宅の利点だった通勤時間の短さはもはや家を選ぶ際の関心ごとでなくなってきた」という。』

所有欲がないと思われていたミレニアル世代(81~95年生まれ:25~39歳)が、家賃の高い都心のマンションから郊外の持ち家一戸建てに住み替えていました。大きかったのは住宅ローンの低金利と都心の賃貸の高家賃を比較しての経済合理性のようですが、きっかけとなったのは在宅勤務です。

日本でもコロナ自粛による在宅勤務で多くの人がこのように気づいたと思います。

・通勤しなくてよくなった
・リモート勤務をしたら、自宅は広い方がいいと気づいた
・ローン金利が低いので支払いが今の家賃支払いとあまり変わらないこと
・都心よりも郊外の方が住環境がよいこと
・ステイホームを賃貸で過ごすことがきつかったこと

現実的な判断をするというミレニアル世代の中で、「これを機会に家を買おうか」と考えている人も増えているかもしれませんね。

 

■価値観の変化にともなって、オフィスも自宅も変わっていく

ミレニアル世代が持ち家ではなく、賃貸でいいといっていたのは、
「所有欲がないから」というような話ではなかったということでしょう。
要するに、価値観が合うかどうか、合理的かどうかといったことを現実的に判断しているということではないかと思います。

リモートワークが進んだことで、立地、広さ、仕事スベースなどの間取りの
イメージ、通信環境、換気性能や断熱性能など、住まいの環境についての考え方や価値観は大きく変わったかのかもしれません。

住宅事業者や不動産事業者としては、住まいについても仕事のオフィスについても、こういった価値観の変化に対応していく必要があるでしょうね。

今回は以上です。
一日も早く平穏な日々が戻りますように。

2020年6月23日 火曜日 15:28 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

デジタル税は新たな世界的国家間対立の火種なのか?

デジタル税という耳慣れない言葉がしばしば聞かれるようになりました。
さて、デジタル税とは何でしょうか?デジタル税で世界はどうなるのでしょうか?

 

■デジタル税導入でアメリカとEUが対立?

新型コロナウイルスで世界的に経済が停滞しています。
自国民の産業や暮らし、生活を支えるため、各国政府が大規模な財政支出を行っています。そうなると今後、世界的に経済復興のための財源確保が政府課題になると思います。
そういった背景もあるのでしょう。このデジタル税に関する動きも加速しそうですね。
↓↓↓

<米、デジタル税で孤立>
(2020年6月4日付 日本経済新聞)
『トランプ米政権は欧州や新興国など10カ国・地域がそれぞれ独自に導入・検討を進める「デジタルサービス税」に対し、不当に米企業を狙い撃ちしているとして、報復関税の検討に入った。背景にはデジタル巨大企業の税逃れを防ぐための国際ルールづくりを巡る対立がある。』

トランブ大統領、また報復関税ですね。中国に続き、今度はデジタル税を巡って、イギリスやフランスなどとの対立です。

アメリカ政権の言い分は、各国が新たに導入を検討しているデジタル税は、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などのグローバルなIT・デジタル企業を狙い撃ちしている、というものです。

GAFAなどの世界的に事業を展開するデジタル企業に対して、何らかの課税制度の制定が急務だとずっと言われてきましたが、世界的な統一基準の合意はなかなか進みませんでした。

そんな中、昨年12月、独自にデジタル税を適用しようとしたフランスに対して、トランプ大統領は制裁関税をちらつかせて課税を先送りさせました。

しかし、イギリスは予定通りこの2020年4月に、売上高5億ポンド(約680億年)以上のIT企業を対象として、ネット検索に関する売上高に対して2%のデジタルサービス税を導入しました。

「イギリスに続け」とばかりにコロナ禍で財政難に苦しむイタリア、スペイン、オーストリアなどのEU各国やインドやブラジルなどの新興国が、雪崩を打つようにデジタル税の導入検討を始め、アメリカとの対立の構図が鮮明になってきた、というわけです。

(さらに…)

2020年6月9日 火曜日 14:55 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

アメリカ、失業率14.7%のインパクトは?

今回はアメリカと日本の雇用の仕組みの違いについてです。
日本もアメリカのように失業率が一気に上がってしまうのでしょうか?

 

■アメリカの失業率が14.7%

この数か月間、新型コロナの影響で世界中の経済が止まりました。
その影響が最も大きかった国のひとつ、アメリカでは失業率が過去最大になりました。
↓↓↓

<失業率14.7%、戦後最悪>
(2020年5月9日付 日本経済新聞)
『労働省が8日発表した4月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、失業率が戦後最悪となる14.7%に急上昇した。就業者数も前月から2050万人減り、過去最大の減少だ。新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動がほぼ停止した影響が響いた。米政権は2020年後半からの回復を見込むが、職場復帰が遅れれば経済は長期停滞のリスクがある。』

失業率14.7%というのは戦後最悪の状態です。失業者数は前月の714万人から一気に2,308万人に急増。なんと3.2倍もの増加です。
特に影響が大きかったのが、飲食業(549万人減)と小売業(211万人減)だったようです。お店を開けられないのですから店舗型ビジネスが厳しいのはよくわかります。まさに「コロナ不況業種」ですね。

(さらに…)

2020年5月26日 火曜日 17:49 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志

コロナ後の飲食業経営は以前の状態に戻れるか?

前回の続きで、今回も飲食業の経営についてです。
コロナが落ちついてお店が再開しても以前の状況に戻すためには引き続き経営努力が必要でしょうね。
 

■非常事態からの出口は徐々に見えてきたものの・・・

緊急事態宣言は5月31日まで延長されていますが、これまでの1か月近くに及ぶ自粛効果もあってか、少しずつ「自粛の出口」についての話題が増えてきました。
非常事態宣言の解除は、まず特定警戒都道府県以外の34県から、ということですが、東京や大阪など13の特定警戒都道府県でも、政府が設定した基準の状況次第で解除を検討していくようです。

ただ、ウイルスが消えて無くなったわけではないので、引き続き警戒しながらではあります。それでも徐々に徐々に以前の日常へ戻っていく方法を、
地域ごと、業界ごとに模索していくことになります。

最も自粛の影響を受けている産業分野のひとつである飲食業もお店を再開し始めるでしょう。どのお店も今、本当に厳しい状況にありますから、
お店を開けられるというのはなによりの朗報ですね。

ただ、完全にコロナ前の状態には戻らないかもしれません。
コロナ後は、飲食経営そのものを再設計しないといけないのかもしれません。

(さらに…)

2020年5月12日 火曜日 18:43 投稿者:HyAS&Co.川瀬太志
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