元事務員が今やトップセールスマン! /4号 2009/12

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お客さまからの信頼を勝ち取る「インフォームドコンセント」の実践

はじめに

2009年11月25日、第3回ハイアークラブ全国大会を目黒雅叙園にて開催させていただきました。今回のテーマは「変革時代の不動産ビジネスで生き残る将来ビジョンとスキル」ということで、ハイアープロを活用したインフォームドコンセントの実践事例や民主党が今後の環境政策のモデルにしているドイツの環境政策における住宅市場の動向、そして、日本国内でも需要が増えているリフォーム事業において、デザインリフォームによる入居率アップの戦略など、今後の住宅不動産業界を生き残るためのヒントを掴んでいただけるような内容でした。

その中で、ハイアープロ(財産相談に関するリスクシミュレーションシステム)を有効にご活用いただき今回プラチナアドバイザー大賞を受賞されました山信不動産様の活動事例をご紹介いたします。

元事務員が今やトップ営業マン!

山信不動産様は、神奈川県相模原市に本社がある、開発宅地分譲および戸建分譲、不動産仲介、賃貸管理など不動産業務全般を行っておられます。その中でも特に新規オーナー開拓の場面でハイアープロを活用されることが多いのですが、最も成果をあげておられるのが、元々は事務員で入社し営業へ転向した遠藤さんという女性社員です。

元事務員が今やトップセールスマン!遠藤さんはこれまで全く営業をしたことがありませんでしたが、いきなり地主営業を任されることになり、とにかくオーナー様宅へ足繁く通いました。そして、どんな些細な情報でも、それを拾い上げてはその情報をもとにシミュレーションを行うという業務を繰り返しました。
そんなある日、土地の売却を依頼されたオーナー様とのやり取りの中でこんなことがありました。

このオーナー様は貸地を複数保有されておりましたが、山信不動産様ではこの中の一カ所の管理しか任せてもらえず、また、オーナー様のご子息が15年ほど前に家を建てるときにも相談していただけないような希薄な関係でしたが、そのオーナー様が保有されていた農地を売却したいということでご相談いただきました。結局、この土地は良い値段で売却することができましたが、次にこの売却益をどうするかという話になり、運用についてご提案させていただくことになりました。

通常ですとすぐに「土地を買いましょう」、「収益物件を建てましょう」と言った提案をされかねない状況ですが、遠藤さんはハイアープロを使い、現金として保有していた場合の相続税額の計算や収益物件を購入して運用した場合の税額などいくつかのケースについてシミュレーションをしてそれぞれの結果をご提案しました。その結果、農地の売却益を現金で保有しないで土地と建物を併せて購入し、それを賃貸物件として貸すことが最も節税効果が高いということをご理解頂き、土地と建物をご購入いただきました。

しかし、話はこれだけにとどまらず、相続税額のシミュレーションをする際、お父様が亡くなられた場合の相続シミュレーションを行った後で、お母様が亡くなられた時のシミュレーション、つまり二次相続のシミュレーションを行い、配分によって相続税額が大きく変わるということをお伝えしました。すると二次相続について初めてお聞きになったとのことで非常に感心いただき、お母様が自分の預貯金通帳を持ち出し「実をいうと自分はこれだけ現金を持っている。この金額を把握しておいてほしい」と目の前に広げられました。自分の資産を全部さらけ出して、どうすればこの先自分たちにとって一番メリットがあるか考えて欲しいと仰られたのです。

このオーナー様からは引き続き保有されている土地の活用について相談を受けているだけではなく、ご子息の奥様が実家から相続した資産についても有効活用の相談を受けることになったのです。

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