第2 回省エネ建築診断士セミナー報告

(ページ:1/1)

第2回省エネ建築診断士セミナー報告
非営利型一般社団法人パッシブハウス・ジャパン主催

平成22年9月16、17日に大阪大学中之島センターにて第2回省エネ建築診断士セミナーが開催されました。北は札幌、南は鹿児島まで、日本全国から約60名が参加され、その所属を見てみますと、住宅会社、設計事務所、建材メーカー、学校関係者などさまざまな業界の方が集まっており、今後の省エネ建築のあり方に対する各方面の関心の高さがうかがえます。

省エネ建築診断士とは

(社)パッシブハウス・ジャパンが主催する省エネ建築診断士セミナーを受講して、試験に合格した方に付与される資格です。公的な資格ではないのですが、住宅の省エネ性能を判断するための基礎知識の修得を目的とし、省エネ住宅設計の基本となる、熱損失計算の基礎や快適な居住空間について、建物の燃費(エネルギーパス)等を学びます。

試験合格者には「省エネ建築診断士」としての資格が発行され、パッシブハウス・ジャパンのホームページ上で紹介されています。今後のパッシブハウス設計を学ぶ上では必須の資格になるそうです。

試験結果発表

今回のセミナーに、ハイアス・アンド・カンパニー株式会社からも筆者が参加しました。結果は、各業界の断熱の専門家の中、成績優秀者上位5名に入ることができました。ここで学んだ内容をR+houseを始めとした商品開発に活かしていきたいと考えています。

今後の展望

パッシブハウス発祥の地である環境先進国ドイツの省エネルギー政策は、日本の次世代省エネルギー基準をはるかに超える水準のものであることはご存知のことと思います。日本の環境政策も、今年の3月に発表された「地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ」を見る限りでは、遅くとも2020年までには省エネルギー基準が厳格化されることが予想されます。

一方で、今回のセミナーを受講して感じたことは、日本が省エネルギー基準として定めているQ値(+C値)の性能のみを追求すれば良い家が設計できるのか?という問いに対しては、必ずしもそうではないということです。つまり、建物の性能を高めることはスタートラインに立ったに過ぎず、これらの性能に加えて、換気・通気の考え方や快適性の定義、使用設備とエネルギーの関係、燃費の見える化(エネルギーパス)等、様々なアプローチでの設計が重要であることを学びました。日本においても、ドイツのような環境政策を背景として、地球環境の保全と住まい手の快適性確保という2つの側面からの“日本型パッシブハウスの設計手法確立”が急務であるのではないでしょうか。

時代の要請に応えるR+zero

R+houseシステムでは、上記の考え方を設計思想に取り入れ、さらに省エネルギー性能を高めた「R+zero」の近日リリースを予定しています。

本商品では、躯体の基本性能(断熱・気密)を新型のR+パネルとオリジナルの屋根・基礎断熱材で高めた上で、太陽光発電システムと熱交換型の換気システムの採用により、エネルギーの効率的な利用を図っています。ハード面だけではなく、居住者の快適性に直結する指標である通気・日射・遮熱などの要素を独自の設計コードに表現することで、地域や居住者にあわせた設計品質の確保に努めています。これらの要素を総合的に組合せた住宅商品こそが次世代の「R+zero」なのです。どうぞご期待ください。

↓R+houseのサービスページはこちら↓
R+houseサービスページへ

ページトップに戻る