第三者的な住宅会社比較情報を提供する店舗「ans」始動

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はじめに

2013年2月、住宅業界における新業態「住宅購入のアドバイスを行う店舗:ans(アンズ)」の展開が始まります。第1号店は熊本県熊本市です。ハイアス・アンド・カンパニーでは、この先2020 年の省エネ義務化に向け、8年間で全国に300店舗まで、この店舗を出店していく予定となっています。エンドユーザーの方が間違った家づくりをしてしまうことのないよう、全国でしっかりとした情報提供をしていきたいと思っています。

住宅業界独自の営業プロセスとその課題

住宅業界にコンサルティング会社として長年関わりを持つ中で、他の業界や他の商品と比較して、住宅購入プロセスや住宅会社選びには、かなりの特殊性があると感じてきました。それは、住宅会社を客観的に比較する第三者的な情報が限りなく皆無に等しいということです。

テレビなどの家電製品を選ぶ際には、画面の大きさや最近では録画時間のスペック、画像の質などを比較することができます。さらにはメーカーの人の説明ではなく、複数のメーカーの商品を取り扱っている量販店・○○電機の店員さんからアドバイスをもらうこともできますし、比較情報について質問することもできます。レストランを選ぶときも、ゴルフ場を選ぶときも、既に活用したユーザーの声をネット上で拾うことができます。そういった情報と価格情報を加味してエンドユーザーは比較検討し、最終的な意思決定(メーカーや商品の選定)を行います。

しかしながら、住宅業界はどうでしょうか?エンドユーザーは複雑な住宅商品を厳密に比較することができず、各社のHPを簡単に見て、住宅展示場や完成見学会にやってきます。そこには自社の商品を売ることだけが目的のスタッフが待ち構えており、自社商品がいかに素晴しいかの説明を受けます。

エンドユーザーは客観的にそれらを比較する手段を持っていませんので、何となく担当者の説明がうまかったり、その場の盛り上がった雰囲気で住宅会社を決めてしまいがちです。悪質な住宅会社は、土地を誘因にして強制的セット契約を企んだり、間取り作成の繰り返しで強引に人間関係を構築したり、値引き枠で仮申し込みを獲得したり、住宅購入後の生活資金のことを一切考慮しない限界の住宅ローンで夢を持たせたり、業界のモラルの低下も限界まで来ているような気がします。

その結果、自然素材という名目の中、設計段階でQ値すら考慮されないような性能の低い住宅、グラスウールの不十分な充填が引き起こす内部結露に侵された寿命の短い住宅、隙間だらけの寒い新築住宅、営業マンがプランを考えた使い勝手の悪い素人間取りの住宅などが次々と作られ、日本の住宅は、資産価値の低さで世界の先進国の中でNo.1 となってしまいました。

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