週刊住宅新聞-平成23年3月14日(月)

住宅の省エネ性能を向上
ハイアス・アンド・カンパニー、司コーポレーション 基礎断熱工法「タイト・モールド」

社会全体で環境に対する関心が高まるなか、住宅業界においても省エネルギー住宅の需要は高まっている。大手企業だけでなく、中小企業にも対策が求められる。今後、地域密着で展開する工務店も、省エネ住宅に取り組まなくては、市場から淘汰される環境になりつつあると言えよう。そうした中、工務店、不動産会社支援のハイアス・アンド・カンパニー(東京都港区、濱村聖一社長)は、群馬県沼田市の司コーポレーション(松井健司社長)が開発したベタ基礎断熱工法「タイト・モールド工法」の全国展開に踏み切る。

基礎型枠をそのまま断熱材に

我が国全体のCO2排出量の3分の1を占める住宅やオフィスなどの民生分野は、08年の温暖化ガス排出量が90年比で約4割増加しており、対策が急務になっている。住宅の省エネ性能向上は大手、中小を問わず、住宅業界全体の喫緊の課題だ。国土交通省と経済産業省は昨年、2020年までに新築の住宅・建築物を対象に省エネ基準への適合を義務づける方針を固めている。

住宅の省エネを考えた場合、基礎から断熱する基礎断熱は効果的な手法として考えられる。ただ、基礎断熱はシロアリ対策や耐震性などの面で課題もある。司コーポレーションは、そうした課題を解決した新基礎断熱工法「タイト・モールド工法」を数年前に開発した。

型枠そのものを断熱材でつくり、そこにコンクリートを打設する。従来の鋼製型枠を使った基礎工法では打設後に型枠を取り外す作業が必要だったが、それを省く。また、浮かし型枠を簡単に設置できるため、立ち上がりコンクリートと耐圧盤を一度に打設できる。そのため、一般的なベタ基礎でできるコンクリートの継ぎ目もなくなり耐震性や耐久性が向上、雨水やシロアリの侵入も防ぐ。

一度打ちで基礎工事が完了

これまでに群馬県内を中心に約300件の施工実績があり、県外から約2000社もの問合せがあった。しかし、1棟分を群馬から現場に搬入する体制だったことから運搬コストが1棟ごとにかかってしまい、県外からの注文の場合は割高にならざるを得なかった。

そうしたなか、注文住宅ネットワーク「R+house(アールプラスハウス)」で採用する基礎断熱工法を探していたハイアスが着目。ハイアスが持つネットワークを活かし全国展開を図る。

タイト・モールド工法とは 一度の打設で基礎工事完了

一般的な基礎工事は、鋼製型枠を設置してコンクリートを打設し、その後型枠を取り外す。一方、タイト・モールド工法の場合は、50ミリ厚のEPS(硬質性発泡材)でできた型枠を使う。コンクリートを打設したあとはそのまま断熱材として仕様できる。つまり、基礎打ちと基礎断熱を同時に終える。断熱材でコンクリートを挟む構造になるため、断熱性能も高まる。

タイト・モールド工法の施工手順

ハイアス・アンド・カンパニーによると、型枠の解体が必要でないため一般的な鋼製型枠を使った基礎打ちに比べて工期が約12日短縮できる。部材となる型枠は、各都道府県の施工代理店にストックされ、工務店へはオーダーに応じて基礎伏せ図をもとに向上でユニットを組み立て現場へ搬入する。

断熱材にホウ酸を混ぜることで工場生産の時点ですでに防蟻処理も済んでいる。さらに、断熱材の上部にアルミ製の防蟻笠木を取り付ける。

ユニット式のため、現場での作業効率も向上。作業員が2~3人いれば型枠設置からコンクリート打設までわずか2日で完了する。

基礎工事と断熱性向上、防蟻という「一石三鳥」の新工法だ。「基礎打ち、断熱、防蟻をそれぞれ別に行う場合に比べてもコストメリットがある」(ハイアス)。型枠の素材も発砲スチロールなので軽量で搬入しやすく、トラックが入り込めない狭小道路に面した敷地でも楽に搬入できる。

加えて、浮かし型枠を使うことでベース部分と立ち上がり部分へのコンクリート打設を一度にできる。そのため、立ち上がりコンクリートと耐圧盤の継ぎ目もなくなり、コールドジョイントなどの問題も解消される。

工期短縮、コストなどメリット 防蟻と断熱処理を一度に解決

両者は1月に業務提携を結び、各都道府県の建設会社を対象にした施工代理店制度を採用。1月に1次募集を開始したところ、2月下旬には早々にでは募集枠の20社が埋まった。2月末時点で施工対応できるエリアは1都1府18県。2次募集は6月以降に計画している。今秋から年内には全国で施工できる体制を整える。施工代理店の倉庫に部材を納入して部材をストックする。工法本部による品質管理マニュアルをもとに、代理店が責任施工する。

現在実施中の研修を経て、4月から住宅会社向けの営業活動もスタート。ハイアスが2月に会報誌で紹介したところ、すでに100件を超える反響を得ている。

「今後、長期優良住宅や省エネ住宅の供給を標準としなければ、住宅会社は生き残っていけない。住宅本体だけでなく基礎から断熱性や省エネ性に配慮できるのは、差別化戦略の一環にもなる」(ハイアス)と、住宅会社にとっても武器になるという。

従来の基礎断熱では、基礎の外側、もしくは内側に断熱材を設置するが、同工法では断熱材を兼ねる浮かし型枠を使うことで、基礎の外側と内側を断熱材ではさむ構造になる。したがって、冬の冷たい外気を床下からシャットアウトし、住宅の床部が底冷えすることがなくなる。

かつ短期間での施工が可能であるため、天候に工期が左右されることが少ないのもメリットだ。基礎工事が終了した段階で防蟻処理、基礎断熱工事のすべてを完了できるため、総合的なコストメリットも訴求できる。「一度打ちによる耐震性向上など、従来の基礎工事よりも品質が上がった上でなおかつトータル的なコスト面でも有利な工法だ」(ハイアス)

ハイアス・アンド・カンパニーは、施工代理店ネットワーク本部として住宅会社の受注につながる販促サポートを行っていく。エンドユーザー向けの基礎断熱プレゼント用のパンフレットも作成。コミック形式で基礎断熱の重要性をわかりやすく説明し、同工法のメリットをアピールする。

4月からは、全国で地域工務店の省エネ住宅への対応をテーマにしたセミナーを実施する。性能向上とコストダウンを両立する仕掛けや、市場のボリュームゾーンである若年層向けに低価格の高性能住宅についての勉強会だ。その場でタイト・モールド工法をアピールする。

R+houseでも推奨工法に
ハイアス・アンド・カンパニーが展開する注文住宅ネットワーク「R+house(アールプラスハウス)」でも推奨工法とする。将来的には標準仕様とする考えだ

【週刊住宅】住宅の省エネ性能を向上 基礎断熱構造「タイト・モールド」
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