読売新聞-平成25年1月7日(月)

マイホーム賢く購入

今年の目標を「マイホーム購入」と決めた人もいるだろう。特に、「来年2014年4月の消費税率アップ前に」との考えは、大きな理由になったかも知れない。ただ、住宅価格は様々な要因で上下するため、冷静な見極めが必要だ。

経済情勢が大幅に悪化しない限り、消費税率は14年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる見込みだ。

消費増税を控え、マイホームを買おうと考えている人は、実際に増えているようだ。住宅金融支援機構の民間住宅ローン利用予定者へのアンケート調査によると、「今後1年程度が住宅取得のチャンス」と考える人が増加傾向にある。昨年10月時点では53%に上った。

■引き渡し日に注意

まず、住宅購入にかかわる消費税について整理しよう。あまり知られていないが、消費税は建物にはかかるが、原則として土地にはかからない。

例えば、購入価格が3000万円の戸建て住宅で、建物代2000万円、土地代1000万円の場合。消費税は建物代のみにかかるので、税率5%の現在は100万円。それが増税で160万円(税率8%)、200万円(同10%)に増えることになる。

注意したいのは、適用される税率は原則、住宅の「引き渡し日」で決まる点だ。増税前に売買契約を結んでも、来年4月以降に引き渡しなら、適用される税率は8%となる。

ただし、注文住宅を新築する場合、増税半年前の今年9月末までに契約すれば、引き渡しが来年4月以降になっても5%の税率で済む。これは工期が遅れて、引き渡し日が延びることもあるための措置だ。

■「駆け込み需要」

とはいえ、マイホーム購入は一概に増税前がいいとは言い切れない面もある。増税を控えた「駆け込み需要」で、物件価格が急に上昇する可能性もあるからだ。

1997年に税率が3%から5%に上がったが、その前年に、駆け込み需要は実際に起きた。

96年は住宅着工戸数が急増した一方で、98年以降は反動で住宅不況に陥り、物件相場も下落したという。不動産経済研究所によると、首都圏新築マンションの平均価格は、97年に前年比3%上昇し、98年には同5%も下落した。

不動産コンサルタント会社「ハイアス&カンパニー」(東京)常務の川瀬太志さんは、「住宅業界は今回も駆け込み需要を見込んでおり、首都圏では土地の価格が上がりつつある」とみる。

■復興需要も影響

さらに最近では、東日本大震災被災地の「復興需要」が、住宅価格に影響を及ぼしているという。住宅ジャーナリストの小菊豊久さんは、「建設作業員が足りず、被災地以外でも人件費が上昇している。住宅建材も品薄で値上がりしており、今後物件価格は上がるかもしれない」と話す。

ただ、景気の先行きは不透明で、96年のような駆け込み需要が起きるかどうかはわからない。さらに、住宅ローン減税(13年末まで)の延長や給付金の支給が検討されている。

このように、住宅価格動向に影響を与えそうな要因はたくさんある。住宅購入は、人生最大の買い物だ。まずは、冷静に諸条件を見極めてから決断することが大切だ。

 

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