中小の工務店や不動産会社の経営支援を手掛けるハイアス・アンド・カンパニーは、4月5日の東証マザーズ上場やZEH対応の必須化といった外部環境の変化を契機とし、ネットワーク拡充や同社の成長を促進させていく考え。主力のデザイナーズ注文住宅「R+house」は新年度(17年4月期)で1000棟超の販売を目指す。
濵村聖一社長は、上場後のメディアへの説明会で「工務店や不動産会社、ゼネコンの支援で無事、上場できた。地方創生の観点からも国の規制を踏まえた商品開発など、地場の中小企業に不足している点を支援したい」などと述べた。会員数は、住宅会社のネットワークや住宅営業員の教育組織などを合わせ約1200社。「R+house」事業は200強の会員企業を抱え、現在の販売棟数は約800棟。平均棟単価は約1900万円となる。熊本市の注文住宅会社「ロジックアーキテクチャ」が年間で約100棟を手掛け、販売棟数が加盟社で最も多い。この「R+house」のネットワーク組織で、ZEHへの補助金交付に不可欠な経産省の「ZEHビルダー」に登録。年度別での新築に占めるZEHの普及割合は16年度が5%、17年度が10%、18年度が20%、19年度が30%、最終の20年度で50%に設定した。
また、不動産コンサルタントの養成組織「ハイアークラブ」でのノウハウや提案ツール「マイハイアー」を活かし、早稲田大学と「ファミリービジネスファイナンス」の研究を2年前から開始している。同ファイナンスは、不動産で形成される家計資産や保有資産のマネジメントを行うもの。共同研究で体系化を図り、コンサルティング案件の獲得につなげていく。