消費者から求められるプロとしての仕事ができているか

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「陳列主義」と「推薦主義」

本セミナーでは最初に新建ハウジング編集長の三浦祐成氏に講演をいただきました。

三浦氏は、強烈な危機意識がないと安定受注はできないと強調されます。安定受注をするためには、貪欲にノウハウを求めて様々な会社とノウハウを共有しないといけない。そのためには、多くの住宅会社をネットワークしている会社を上手く活用すべきとのことです。

つらい時期は、足元ばかりを見てしまいます。そうすると行きたくなかった場所に行きついてしまう。道に迷わない経営者は、外部のノウハウを取り入れながら、向かうべき方向に旗を立てて進んでいるのです。

「生き残れる会社」は、「応援される会社」です。「応援される会社」は、利己的ではなく利他的な会社ですが、お客様の言うことを「はい」と喜んで聞くだけの会社のことではありません。お客様に貢献できるプロでないといけないのです。

ここで「通販生活」という通販会社が事例として紹介されます。確固とした価値観を持った会社で、プロフェッショナル性と長期的利益がバランスし、お客様の奴隷になっていない。この会社の理念「確かな買い物で、確かな暮らしを」は、工務店にもヒントになります。

通販生活は、売りたい商品と売りたくない商品が明確です。通販会社で買えるものはどこでも売っていますが、通販 生活では確かなものだけを集めています。このため、通販生活で買い物をする人は、確かな買い物をすることができ、確かな暮らしができます。

商品を選ぶのは消費者なので、選択肢が多い方が良いという考え方もあります。しかし、消費者はたくさん並べられても、何が良いかわかりません。「陳列主義」ではダメなのです。商品を並べて、消費者に選んでもらうのであれば、プロしてのスキルは必要ありません。

「小売りが商品を選び、消費者は小売の選択に賛成か反対かが選べるべき」と考えなければならないと三浦編集長は提案されます。消費者に代わって小売りが商品を選ぶことが必要で、その方が工務店の経営も楽しく、自社の価値観と目利きに基づいた良い家を売っていくことができます。これが「推薦主義」。自社の目利き力で推薦していくスタンスこそ、プロフェッショナルなのです。

部材メーカーが次々と発売する建材を並べて売ることは「陳列主義」。これでは、価格が安い会社に勝つことはできません。確固とした価値観をつくって自信と誇りを持って売ると、営業マンの「売りたい魂」に火がつく。
誇りを持って売れるものを売っているときは、お客様にも貢献することができ、営業成績も上がるのです。

重要なことは、「ものの考え方」=「理念・哲学・美学」。
ここから自社商品のコンセプトを明確化し、標準化していくことが必要です。標準化とは、譲れないものをコンセプトにして商品に落とし込むこと。譲れないものを推薦していく。コンセプトが明確であって初めて、自社のスタイルが現れてくるのです。

以上が、三浦氏の講演のポイントです。御社ではプロの仕事ができているでしょうか。

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