イギリス、ドイツ住宅不動産視察の報告

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イギリスの住宅資産化事例(A邸)

ロンドンの西方約30kmの位置にハローという高級住宅地があります。今回の視察では、そこに住むイギリス人A氏夫妻の住宅を訪問し、自身の住宅が資産形成されていく体験についてお話を伺いました。

A氏は25年前に築50 年の住宅(2ベッドルーム:100㎡)を17万5千ポンドで購入しました。当時、周辺は建物も少ない田舎でしたが、都市計画により、鉄道や高速道路、ショッピングセンター、教育施設など、周辺環境が整備されるにつれてロケーション価値が上がり、現在はロンドン近郊でも有数の高級住宅街となったそうです。

建物については、壁の塗り替えやフローリングの交換など、毎年テーマを決めてメンテナンスを行い、最近では、5年前に3階部分を増築して、4ベッドルーム:150㎡としたことで、資産価値が一気に上昇したそうです。このような過程を経て、購入時が17万5千ポンド、2年前に70万ポンドで取引されていた価格が、現在は75万~80万ポンドで流通しているそうです。今後はさらに環境の良いエリアへの住み
替えや相続に対する関心が高いとのことでした。このように、イギリスの不動産市況は、世界的な景気後退の影響を受けつつも、安定した基盤のもとさらなる資産形成につながっていることが確認されました。個々の住宅ではなくセグメンテーションされたエリア単位で住宅地経営や都市計画を行うことにより、長期的スパンで住宅資産価値が上がり、個人資産のポートフォリオが改善されることで、多くのイギリス人は幸福で自信に満ちた暮らしを送っていると感じました。

フライブルク市ヴォーバン地区の取り組み

次に、ドイツの都市計画の事例を紹介します。今回訪問したフライブルクはフランスとスイスの国境近くに位置し、環境首都と呼ばれるように、特徴的な都市計画と交通計画、それに基づく省エネルギーに対する取り組み等により、近年、世界的に注目されている都市です。面積は150k㎡でその約半分が森林であり、人口は22万人、そのうち学生3万人、教職員8,000人の大学都市でもあります。フライブルクの都市計画フライブルクの都市計画の特徴は、1ショートウェイ・コンセプト(雇用と買い物の中心を住宅地に作る)、2交通を発生させない計画、3地域暖房と低エネルギーハウス住宅、4コージェネ※の活用等が挙げられます。

これをFプラン、Bプランと呼ばれる都市計画に落とし込んで実現しています。

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