省エネルギー基準見直し案の概要について

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要素の2つ目は、単位面積の違いです。熱損失量を延べ床面積で割るQ値は、面積が小さいほど大きく(性能悪く)、面積が大きいほど小さく(性能良く)評価される傾向があります。図はその比較をしたものになりすが、同じ断熱性能(外皮性能)を持つ2つの住宅も、
床面積の違いでQ値はここまで違いが出てくるのです。

省エネ性能を求める際には、建物トータルの熱損失量を考慮し、建物をコンパクトにまとめようとすることは、基本的で大切な姿勢です。しかしながらQ値評価では、逆に小さいことが一見評価を下げる要因になってしまっていました。

一方U値は、外皮から損失する熱量を外皮の面積で割るという、躯体の断熱性能をそのまま評価している指標です。多角形の凸凹が多い住宅と表面積を小さくしたキュービックな住宅での比較は難しいですが、Q値よりは汎用性の高い、グローバルスタンダードな評価であることがいえます。

それではここで、Q値からU値への評価指標の変化に伴う、評価結果について見てみたいと思います。図は、弊社が提供する住宅システムR+houseと大手住宅会社の住宅性能を比較したものです。Q値をウリにしていた住宅会社の商品も、U値評価となったところでR+house
との逆転現象が起きているものも多いことが分かります。

この現象の要因は、これらの住宅が熱交換型換気システムと大きな床面積を武器にQ値を突き詰めているのに対して、R+houseはメンテナンスも楽で、手に届く価格の第三種換気システムを標準とし、コンパクトであることもあり、もともと十分な断熱性能を持つR+houseはU値評価でも高い結果になったといえます。

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