時代を変える 新しい住宅販売の仕組み構築へ向け

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昨年末に実施された「大人の勉強に関する意識調査」において同様の結果が示されています。

住宅の既購入者と未購入者1,453名のアンケート結果になりますが、「家づくり(性能・資金等)に関する勉強会があったら参加したい」と思うか聞いたところ、未購入者においては「したい」の回答が34.5%となりましたが、購入者に対して「持ち家を建てる前に、家づくり(性能・資金等)に関する勉強会があったら参加したかったか」と聞いたところ、「したかった」が68.5%という未購入者を大幅に上回る結果となっており、この差は建てた人が住宅に対してもっと勉強をしておけばよかったと後悔していることを示しています。今後は購入希望者が住宅取得に関する知識を習得することにより、失敗しない購入を実現できるようにしていくことが大切といえます。

購入時だけではない顧客の不満

住宅購入者の要望が顕著に表れているのがアフターサービスです。住宅会社にとって引き渡した後のお客様の対応は非常に重要であるというのは業界の共通認識です。しかし、アフターを戦略的かつ組織的に継続して行っているという工務店は極めて少ないのが実態です。

「平成23年度住宅・住宅設備に関するCSアンケート調査報告書(経済産業省)」によると、アフターサービスに関する住宅メーカーへの要望として、「各種保証期間の延長」が81%を占めますが、「点検サービスの回数の増加を希望」するが25%、「アフターサービスの窓口を明確にして欲しい」が11%となり、「24時間窓口を開設して欲しい」9%との結果が出ています。ここからも住宅会社のアフターサービス対応姿勢に関して、住宅購入者の不満が透けて見えます。

とはいえ仕方がない反面があります。営業担当者は契約を取ったら次の契約を取りに行くために、いかに早く新規のお客様と接触するかが求められます。アフター部門のある住宅会社でも、高いモチベーションで活動されている担当者が多くいることは稀です。モチベーションが上がらないのは、「コストセンター」とみられているからです。コストセンターとは会社に収益をもたらすことが少なく、活動量をふやすほどコストがかさむポジションです。アフター業務で見込める売上と言えば、数年後に発生するかもしれない小さなリフォームやメンテナンス、あわよくば新築のお客様を紹介してもらえるかどうかといったところです。ただしこんな思いがあっても大きな声では言えません。

売上がほとんど見込めないからアフターの担当者が収益目標を持つことはありません。逆に動けば動くほどクレームや修繕依頼をもらい無償のメンテナンスが発生することも少なくありません。

責任を持って長いお付き合いをさせていただきますと考えていたとしても、収益を考えた時に優先順位が下がってしまうのが実状だと思います。

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