「R+house」をベースとしたパッシブハウスへの挑戦

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今、住宅づくりに求められるものとは

来たる2020年の住宅に対する省エネルギー法適合義務化を見据え、2013年10月1日、新しい省エネルギー基準が施行されました。しかし、外皮の断熱性能については、新基準においても、1999年施行の「次世代省エネ基準」と同等水準しか求められていません。

ちなみに、この基準は14年前のドイツの最低基準と同レベル。同国の法律は、より高い水準へと既に改定され、このレベルの建物を新たに建てることは当然許されません。一方、未だに“14年前の次世代”に留まっている日本では、この基準はあくまで努力目標でしかなく、法的拘束力もありません。環境問題に鑑み、先進国に率先垂範が求められるこの種の対策一つ採っても、日本の住宅が今なおどのような状況にあるか、ご理解いただけるものと思います。

26-02-01

ところで、皆さまが住宅づくりをする際、一番大切にしていることは何でしょうか?やはり最優先に考えられるのは、「住み手が快適に健康に過ごせるかどうか」ということだと思います。この「快適・健康性能」は、いうまでもなく、その家の省エネ性と密接な関係にあります。冒頭に述べたように、省エネ性能の不十分さを放置している限り、居住の快適性においても、日本は世界レベルとはいえないのではないでしょうか。

今、日本の住宅づくりに求められているものは、快適性・利便性の向上や健康増進といった質的向上と、省エネルギー化の2つの課題の解決です。それらを可能にする合理的な建築技術を速やかに確立し普及させていかねばなりません。

「R+house zero」とは

弊社の提供する住宅システム「R+house」は、消費者の手に届く価格でありながら、現行省エネ基準をはるかに上回る高気密・高断熱性能と快適性を有するため、数多くのお施主様に喜んでいただいています。今回は「R+house」と同じシステムの延長線上に、更に『人にやさしいくらし』を求めて開発した「R+house zero」について、ご報告したいと思います。

「R+house zero」は、従来の高気密・高断熱に加え、自立循環型住宅の設計コンセプトに倣って、『人にやさしいくらし』を実現します。

「自立循環型住宅」とはどのようなものかについて、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が発行する設計ガイドラインでは、以下のように述べられています。

「気候や敷地の特性などの住宅の立地条件および住い方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で建物と設備機器の設計や選択に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも居住時のエネルギー消費量(CO2排出量)を2000年頃の標準的な住宅と比較して50%にまで削減可能な住宅」

つまり、気候や環境をも含めたその場所・土地に固有の諸条件を前提とし、それらを最大限活かした形で室内環境の最適な解を導き適用した住宅というわけです。

では、「R+house」の仕組みを使うと、どのようなプロセスで設計・建築は進められるのか、これからその特徴を見ていきたいと思います。

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