ハイアス・アンド・カンパニーがお届けする、住宅・土木・不動産業界の経営革新情報サイト
(ページ:1/3)
2013年11月8日から4日間にわたり、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された全米リアルター協会(NAR:National Association of Realtors)の世界大会。本稿では、アメリカの不動産流通市場の現状を含め、その参加レポートをお届けしたいと思います。
今回、日本からは、ハイアスが賛助会員として名を連ねているJARECO(日米不動産協力機構:2013年5月設立)の中川雅之理事長(日本大学経済学部教授)をはじめ30名強のグループと国土交通省からも来賓が参加され、日米の不動産流通にかかわるセッションやリアルター間の国際交流、不動産取引システムの調査・研究を行いました。こうした活動を通じて、日本の不動産市場の国際化促進ならびに流通活性化に向けた取組みについて力強いメッセージを米国に向けて発信できたと考えます。
一方、アジア諸国からも、各国の宅建協会を中心として数十名単位で参加する国が増え、いよいよグローバルな不動産流通時代の幕開けを感じるイベントでもありました。
日米の不動産流通活性化を議論する前に、最新の米国の不動産流通状況について、NARのチーフエコノミストであるローレンス・ユン氏ならびに現地で活躍するエージェントより説明を受けました。
それによれば、米国の不動産マーケットはサブプライムショックの影響を一時的に受けたものの、この2年間で早期に立て直しが図られているとのこと(図1)。物件の供給状況を示す在庫販売比率(図2:Months ofInventory)が、ロサンゼルスでは2.1ヶ月(平時には6ヶ月程度とのこと)、ヒューストンでは4.3ヶ月と、需要の高い状態が続いており、マーケットが引き続き力強く成長していくとの見通しが述べられました。その背景には、経済・人口政策や金融政策の後押しを受けていることのみならず、不動産流通の仕組みにもポイントがあります。