日本の不動産流通市場近代化に向け NARと連携したグローバル化時代の幕開け

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安心して取引できる不動産市場の構築に向けて

~ポイントは「顔の見えるパートナーシップ 」~

図4は、今回の視察・調査、並びに国土交通省が平成25年6月に発表した「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書を元に、日米の不動産取引を比較したものです。

各プレイヤーの担当する業務の範囲と目的が異なりますので単純比較することはできませんが、米国の不動産流通システムはMLSを核としたガラス張りの不動産情報と、各自が倫理綱領を守り健全な不動産流通市場を構築する自浄力を有するのが特徴でしょう。また、売主と買主の責任と権限が明確化され、取引上の諸問題に対して保険・保証の仕組みが充実していることがわかると思います。

今回の訪米を通し、ルールと秩序を維持しつつ、日本の中古流通市場を活性化するためには、支部レベル(例えば「港区支部」「世田谷支部」など)で、顔の見える範囲のパートナーシップを形成することが必須です。我々が積み重ねてきた歴史や尊重・遵守すべき法を踏まえ、日本の国状にマッチする環境を整えていくことが重要でしょう。

当社は現在、エスクローと保険・保証を組み合わせた不動産流通スキームを研究しています。売主と買主双方が安心・納得して不動産取引ができる環境をめざし、国内外の優れた仕組みを取り入れたビジネスモデルを構築した上で提供をめざします。ぜひご期待ください。

(鵜飼)

日米の中古住宅流通市場比較

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